日本輸出文化の代表といえば、アニメーションがまず第一に挙げられるが、なにを隠そう海外で大ブームを巻き起こしているのが、 ”グロテスク・アクション”と呼ばれる日本制作の映画だ!
完全ハリウッド資本、オール日本人スタッフにより制作された超絶スプラッターアクション『片腕マシンガール』、天才特殊造形アーティスト西村喜廣が監督を務めた、民営化された警察が暴走する『東京残酷警察』はその代表的な作品として、海外でも熱狂的なファンを獲得した。
両作とも、手足がぶっ飛ぶ、カラダが真っ二つ、マシンガンで蜂の巣などなど、良識のある大人には顔をしかめられること間違いなしの内容ながら、映画が本来持つ途方もないパワーが溢れまくり国境を越えて伝播したのだ。
そして、今またこれらの輝かしい作品に負けず劣らずの大傑作が誕生した! その作品の名は『サムライプリンセス・外道姫』。
監督は、漫画原作者でありながらドラマ『ULTRASEVEN X』『ハツカレ』などの監督も手掛ける梶研吾、特殊造形は『片腕マシンガール』『東京残酷警察』(監督)の西村喜廣。これで期待するなという方がムリな豪華なタッグ!
すでにドイツ・ハンブルク映画祭でのワールドプレミアを皮切りに世界各国で上映が続々決定している本作。仲間たちを惨殺され、自身もカラクリ(機械人形)となり、復讐にすべてをかけるヒロイン外道姫に、本作が映画初主演となる人気セクシーアイドル・希志あいの。従来の華奢で可愛らしいイメージから一転、クールな迫力を携えた静かな演技とセクシーでスタイリッシュなアクションで熱演している。
7月25日の公開を直前に控えた主演の希志あいのさんに独占インタビューを敢行した。
──初主演おめでとうございます! かなり衝撃的な内容ですよね。斬られた手足で生け花とか○(自主規制)の入った鍋とか、グロいシーンの連続ですが、抵抗はなかったですか?
希志 まったくありませんでした(笑)。楽しかったです♪
──(笑)。特殊メイクで苦労した点は?
希志 あっ、血のりはスゴイ大変でした! 髪の毛についたら取れなかったりとか、肌に残ったりとか。衣装についても取れないんで、血のりがらみの撮影はNGを出せないんで、もう一発勝負です! だからテストを何回も何回もして本番に臨みました。あっ、血のりで思い出しました! 私の胸元から血のりが「ガバーーー!」ってスゴイ勢いで吹き出るシーンがあるんですが、その最中に監督がしゃべれって指示が(笑)。もうね、それはムリ! 顔にもいっぱいかかってるし、口にも血のりが入っちゃうからしゃべれないの! その時は「監督、ひどいな、Sだな」と思いましたね(笑)。
──登場人物すべての衣装がその世界観を表した和洋折衷というか、かなりエキセントリックなカッコイイ衣装だったり、手足が飛んだりとか、カラクリ(機械人形)の特殊メイクとか、いろいろと大変な労力がかかっていると思うんですが、やはり特殊メイクに時間はかかったんですか?
希志 私、寝てました(笑)。最初は興味深々でじっくり見てましたけど、やってもらっている間は寝ていて、「はい、できた!」って瞬間に起こされるみたいな(笑)。
──特殊技術の西村さんは、『片腕マシンガール』や『東京残酷警察』をやられた、この世界では超一流の方なんですけど、それらの作品はご覧になったりしてたんですか?
希志 いえ、全然知らなくて、現場では、「あ、面白いおじさんだな」と思っていました(笑)。撮影が終わってから、スゴイ方だったっていうのを知って……。慌ててレンタル屋さんに借りに行ったんですけど、いつも貸し出し中なんですよね。「あ~、今日もないや」みたいな(笑)。
──撮影期間はどのくらいだったんですか?
希志 実質6日間でした。
──そんなに短いんですか! それは朝から晩までどころじゃない撮影ですよね?
希志 そうですね。朝から朝までです(笑)。最終日とか33時終わりとか、「何時ですか、それ?」っていう感じでした(笑)。
──一番大変だったシーンは?
希志 やっぱり、ラストバトルですね。最後の敵は造形がリアルで、マジで怖かったですね。しかもデカいんですよ! 当然、最後の闘いなので、アクションも盛りだくさんで見ごたえもたっぷりですよ! おかげで、カラダのいろんなところにアザができ、筋肉痛にもなりました(笑)。それに、撮影した場所が倉庫だったので、すごい埃が舞うんですよ。息を吸い込むと、咳きこんだりとか。
──撮影中ストレスを感じたりしませんでしたか?
希志 ストレスよりプレッシャーの方が大きかったです。「やらなきゃいけない!」っていう気持ちがすごくて。
──それを跳ね除けて、ちょっとハイになったり(笑)?
希志 なりますね! 完全に(笑)! 宿舎みたいなとこに何日か泊まる機会があったんですが、そのときに、みひろちゃんとかも泊まってたんですよ。それで、他の俳優さんとマネジャーと「飲もうぜ」ってことになって、「イェーイ!」って感じで中打ち上げみたいなことをやりました(笑)。共演者の人たちとは、みんな仲良くできて良かったです♪
嬉々として外道ぶりを発揮してます。
こういうみひろちゃんもまた魅力的
──撮影が終わった時は寂しかったんじゃないですか?
希志 ああ、それはもう。この映画だけじゃなくても、Vシネとかでもそうなんですけど、やっぱり1つのものをみんなで作っていて、それが終わってしまうと寂しいですよね。でも、今回の撮影の最終日、みんな速効帰ってましたね(笑)。監督もいつの間にかバスに乗り込んでいて、「あれ? 監督乗ってる! 早っ!」みたいな(笑)。
──監督の印象はどうでした?
希志 すごく優しくて、ほとんど怒らない方でした。多分、シャイだと思います。
──今だから話せる撮影ウラ話は?
希志 あっ……、唯一の濡れ場シーン。室内での撮影だったんですけど、ずっと「寒い寒い」って私が言ってたんで(冬の撮影だったため)、スタッフが気をきかせてくれて暖房をガンガンに入れてくれてて。それが最終日の朝の8時とかで、みんな眠たい最中だったんですよ。みんな首がガクンガクンってなってて(笑)。疲れが出てきちゃってたんでしょうね。ちょっと面白かったですね。
──絡みのシーン、アクションと違って逆に緊張したりはしませんでしたか?
希志 緊張はしたんですけど、でも、逆に楽にできましたね。普段やってるお仕事でやってることなんで(笑)。
──「私のフィールドよ」ぐらいの?
希志 そうですね(笑)。相手の俳優さんが(濡れ場が)初めてだったんですよ。まず前張りをつけるところから、「どうしよう……」みたいな(笑)。
──そういうときは、「大丈夫、私がいるから」みたいな感じになるんですか?
希志 さすがに前張りを貼るまではできないですけど(笑)、「足は、こっち」とか教えたり……。ちょっと言ってて恥ずかしですね(笑)。
──最後にひと言、ファンに向けてお願いします。
希志 この作品はグロいのが苦手だなぁって人でも、アクションだったり、カッコイイ衣装だったり、ちょっぴりセクシーなシーンだったり、「観てみようかな」って思うエンターテイメントの要素がいっぱい入っていると思うんです。だから、たくさんの人に観ていただけたら最高に嬉しいです! みなさん、よろしくお願いします!
『サムライプリンセス 外道姫』
7/25(土)よりシアターN渋谷にてレイトショー公開