「セックス セックス」「あたしはあんたとセックスがしたい」(『うわさのあの子』)、「股を拡げるだけが女じゃあないのです/時には、男の上にまたがり腰を振る」(『あたしのお歌』)と、女性ボーカルが性的なフレーズをあり得ない勢いで咆吼するパンクバンド「ミドリ」。
メジャーデビューは2007年。女1+男3のメンバー構成から「大阪のいびつなJUDY AND MARY」などと評されるが、作品だけで喩えるなら「パンクな椎名林檎」といったところだろうか。
ボーカル&ギターの後藤まりこは、セーラー服がデフォルトだ。パンチラも気にせず客席へダイブするステージング(というか暴れっぷり)は大阪でのインディーズ時代から伝説化している。
……なんて聞くとキワモノ路線を想像しがちだが、メロディアスなキーボードは切なささえ感じさせるクオリティ。この6月には日比谷の野外音楽堂でのワンマンライブも成功させている。
その野音ワンマンでは、あろうことか後藤はストリップショーを展開。ライブ終盤、ステージに設置された大きなスピーカーの上へとよじのぼった彼女は、客席をゆっくり見渡した後、おもむろにセーラー服を脱ぎ始めたのだ。脱いだ上着は客席へと投げ入れ、トレードマークの片足ルーズソックスもポイッ!
結局、黒のスポーツブラ1枚+ミニスカ+裸足という、脱衣場の女子高生のようなヘソ出しルックで残り2曲を歌いきったのだった。
男性ボーカルならば「銀杏BOYZ」の峯田和伸のように、4万5千人の観客を前に下半身を露出して書類送検された例もあるが、女性ボーカルがライブ中に脱ぐのは珍しいケースだろう。
奇しくもこのライブの前日は、小向美奈子がロック座で初脱ぎした日。案外、小向のストリップに影響されてのパフォーマンスだったのかもしれない……。