真っ白のフリルにミニスカート、女の子らしさを全開にしたかわいいメイドが給仕をしてくれるメイド喫茶が秋葉原に誕生してから7年経った。まるで二次元の世界から飛び出してきたようなメイド服に「お帰りなさいませ、ご主人様~」というご挨拶。うんうん、やっぱりメイドさんはかわいいなぁ、と思わず鼻の下を5cmくらい伸ばしてしまうが、それはメイドが「女の子」だったときのお話。フリフリドレスを着た「男の娘」が同じことをやったらどうなるんだ!? そんな疑問を正面からぶつけてきたのが、女装メイド喫茶と呼ばれる「雲雀亭」だ。
この女装メイド喫茶「雲雀亭」。見た目は女の子のような男の娘メイドだが、口を開けば野太い男声で「おかえりなさいませー」と元気に接客してくれる。見た目と声のギャップで脳みそがイカれそうだが、これも「萌え」のひとつなのだろう。ギャップ萌え!
昔は「女装が趣味なんだ……」とうっかりカミングアウトしたら、母親はヨヨヨとハンカチを噛んで泣き崩れ、父親に至っては「勘当だ、バカヤロー!」と鉄拳を食らうところなのだろうが、知らない間にテレビ番組では、素人男子学生が番組協力で女装してみたり、芸能人男性も女装して美を競い合うという企画が頻繁に放送されており、少しずつではあるが女装が市民権を得始めているのだ。一時期は「女装子(じょそこ)」なんて呼ばれて日陰者だったのが、いつのまにか「男の娘」なんて立派な名前を付けてもらってるなんて……!
男装だろうが女装だろうが、オカマだろうがゲイだろうが、「萌え」という単語を出しさえすれば、周りがいいように解釈してくれるというのは、なんとも生きやすい世の中になったものだ。「萌え」の台頭により、性的な匂いのする女装も、「女装ってアンタ……その格好でオナニーとかしちゃうんじゃないの? そんな汚らわしいこと、お母さんイヤだわ」という負のイメージもさえも一掃してしまったのだ。恐るべし「萌え」効果!
誰にも言えずに悶々としていた女装趣味を持つ人も、怖いもの見たさで経験値を積みたい人も、”女装メイド喫茶”に足を運んでみてはどうだろうか。そこにはあなたと同じように女装に魅せられた「男の娘」が極上の笑顔で働いているのだから……!
女装指南本!? スゴイ時代です!