AVがエロビデオと呼ばれていた時代を覚えているだろうか? それは輝かしい栄光に包まれた80年代からはじまっている!
村上春樹の新作『IQ84』はジョージ・オーウェルの『1984』から着想を得たらしいが、それほど”80年代”はエポックメイキングな年代だった。
ファミコンに夕にゃんこと『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系列)、そしてビデオデッキが登場した! 特にビデオデッキは80年代、あっという間に一般家庭に普及した。その、普及を影で支えたのがモザイクやぼかし抜きのそのものズバリの裏ビデオだった!!
「昔過ぎて覚えていないけど(笑)。もともと某国営放送のプロデューサーが持ち込んできたんだよ。アメリカやヨーロッパで性解禁の動きがあってさ、日本でも本番している映像を撮って、向こうに持って行こうっていう、非常にアカデミックな話だったんだよ!」というのは、知る人ぞ知るあの裏ビデオの名作『洗濯屋ケンちゃん』を撮った藤井智憲監督!
『洗濯屋ケンちゃん』というのはビデオデッキの販売促進用におまけに付けられた幻の裏ビデオ、このテープなくして今のAV文化はありえない。
「当時はN○Kだけでなく民放大手の製作会社なんかが乗り気で、『コンバット』だって、あの赤坂に会社があるところの人たちがやってたんだよ。女の子もピンク畑の子はいたけど、ほとんど素人のような子たちを口説き落として撮ったんだよ」
還暦を過ぎたとは思えない藤井智憲氏の快活(過ぎる?)話は続く。今のようにAVの製作フォーマットも流通もユーザのマーケットも定かでない時代、撮影に試行錯誤は付きものだったという。
「でも楽しかったね。時代の変わり目で、許してもらってたんだよね。今は可哀想だよ、そんなことやったらコンプライアンスとかでみんなクビになっちゃうよね(笑)」
現在もバンド活動、劇団とその領域をさらに広げて活躍中の藤井智憲氏、時代のせいばかりでなく、失礼かもしれないけれど、本人の特異なエネルギーこそがあの名作を産んだ原動力だったのかも?
「男は女とやりたくなくなったり、おま○こ見たくなくなったら棺おけに入ったほうがいいよ(笑)」
草食男子だなんて騒がれる昨今、80年代をわかしたこのエロいエネルギーこそ、今必要なのかも!
【告知】
藤井智憲出演 7/1(水)~(金)
「青山円形劇場」にて、『伝・久女(大正昭和に生きた天才女流俳人の一生)』
青山円形劇場:http://www.aoyama.org/
藤井氏ブログ:http://ameblo.jp/tom-fujii/
心の洗濯したい