安位カヲル連載ネイロ#3「火照る」
自分のことが好きだ。ぱっちりした目も通った鼻筋もぷるんとした唇も長い手足も。
今まで色んな人からちやほやされてきたしSNSに自撮りを載せればいつもいいねがたくさんくる。でも最近私は自撮りだけじゃ満足できなくなっていた。
もっとモデルさんみたいに撮られてみたい――。
そんな時にネットでみた「撮影会モデル」という存在。
(お給料も貰えるし写真も撮ってもらえて最高じゃん!)
書いてある番号に電話をすると、
「じゃあ面接をするので明日秋葉原のスタジオまできてください」
とのこと。
次の日、オシャレして秋葉原のスタジオへ向かうと優しそうなスタッフさんが出迎えてくれた。
撮影会とはどういうところなのか、とかお給料の話とか一通り終わって最後にスタッフさんが「なにか質問はありますか?」と聞いてきたので、
「水着の方がお給料って高くなるんですか?」
と聞いた。お金のことは大事だ。
「そうですね。水着の方が一応高くはなりますね」
「じゃあ水着でよろしくお願いします!」
その日から私は撮影会モデルとなり、最初のうちは水着ということもあり緊張したけれどお客さんも他のモデルさんも優しくて段々と慣れていき写真を撮られることが楽しくなっていた。
ある日、私はあるおじさんと出会った。
そのおじさんは私が撮影会に出ると毎回私のことを撮りに来てくれて、すごく褒めてくれる。そしてその撮った写真をとても嬉しそうに見せてくれて最初は、良い人くらいにしか思わなかった。
でもなんだか最近そのおじさんに写真を撮られているとすごく息が上がってきてポーッと熱くなる。これってもしかして…。
(私…興奮してる?)
なんだかすごく恥ずかしくなって、その日はおじさんに謝り撮影会を早退した。
そして家に帰るとベッドに倒れこみその火照った体を自分で抱きしめると、なんだとても興奮してきて自然と股間に手が伸びる。
(あのおじさん私のことを撮ってて興奮とかしたのかなぁ、もしかして私のことを…犯したいとか思ってるのかな…)
そう思うと手が止まらなくなって無我夢中で自分を慰めていた。頭の中には泉まくらのballoonが流れていた。
【文・選曲=安位カヲル】
エスワン専属女優。Twitter@Kaoru2dive/Instagram@kaoru_yasuiii