セックス体験談|ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#5

隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#3」

隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。

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隔たりセックスコラム連載「ライブのあと、広島の夜、彼氏のいる女と…#3」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも

※イメージ画像:Getty Imagesより

 4ヶ月ぶりの新宿は色が変わっていた。

 前に来たのは夏だった。その時は多くの女性が肌を露出していたが、今は隠されている。なので肌の色ではなく、それぞれの冬服の色が新宿の街を彩っていた。

 隠されていると、その中身がどうしても気になってしまう。冬服の中に、どのような裸体があるのだろうか。通りを歩いている女性を眺めて、そんなことを妄想する。周りから見たら、僕が道行く女性の裸体を妄想しているなんて気づかないだろう。僕も同じように隠している。

 頭の中に浮かぶ女性の裸体。ふあふあでもちもちの白いパンのような乳房がふたつ、その中心にあるマーブルチョコのような美味しそうな乳首。スラリと伸びた脚の間にある、真ん中に線の入った可愛らしい膨らみ。そこから溢れ出る透明な液体。目の前を通る女性たちを眺めながら、最終的に真知子さんの体を思い出していた。

 

「いま着いたよー!」

 

 携帯にメッセージが届く。真知子さんからだ。広島に住んでいる彼女と4ヶ月ぶりの再会である。

 

「お疲れ様です! 改札前にいます!」

 

 つい1週間前、真知子さんから唐突に「来週東京行くことにしたよ!」と連絡が入った。前回の東京出張は休日出勤だったようで、その代休がやっと取れることになったという。

 

「前回は出張のときからまた東京に行きたいってずっと思ってたんだよね。観光とかまったくできなかったし」

 

 どうやら東京に大学時代の友人がいるそうで、その友人と東京観光することになったらしい。僕に会いに来るためじゃないのか、と少し寂しくもなったが、真知子さんに会えるチャンスがあるのは素直に嬉しかった。

 

「そうなんですね。真知子さんに会いたいです!」

 

 気づけば、真知子さんにそう送っていた。初めて会った日のことを思い出すと、会いたいと思わずにはいられなかった。

 4ヶ月前、新宿で初めて真知子さんに会った。広島に住んでいる真知子さんは出張で東京に来ていた。その日、僕は広島のライブに参戦していた。まさかの入れ違いを嘆いたが、東京に帰って来た日に会うことができた。

 その日の夜、僕らは同じベッドで寝た。キスはできたが、最後まですることはなかった。モノがうまく入らなかったのだ。

 それでも、僕は幸せだった。互いの体を優しく触り合ったこと、とろけてしまいそうなキスを何度もしたこと。ただ触れ合っているだけのその瞬間だけで満たされた。挿入ができなかったとしても、後悔せずに幸せな気分になるのは初めてだった。真知子さんの優しい口調や暖かな表情、柔らかく包み込んでくれるような雰囲気が心地良かった。そんな真知子さんに会いたいと思うのは当然だった。

 会いたいという誘いを、真知子さんは了承してくれた。東京2日目に友人と観光するとのことだったので、1日目に会うことになった。


「あ、隔たりくんお待たせ! ごめんね、待った?」

「ぜんぜん待ってないですよ。いま来たところです」

「そうなんだ。よかった」

「コート姿の真知子さんもいいですね」

「本当?」

「はい。ワンピース姿も可愛かったけど、コート姿は大人っぽくて似合ってます」

 

 長時間の新幹線移動で疲れてそうだった表情がパッと明るくなった。褒めると、真知子さんは素直に喜んでくれる。だから、安心して素直に思ったことが言える。

 真知子さんが今回泊まるホテルは、4ヶ月前に一緒に泊まった東新宿のホテルの近くにあった。前回よりも少し広めの部屋のあるホテルを選んだらしい。

 

「前のホテルは狭くて、まるで仕事場って感じがしたから。出張だったしね。だから、今回は旅行だから広めの部屋にしてみたんだ」

 

 楽しそうな真知子さんに、「広い部屋にしたのは僕と泊まるつもりだからですか?」と聞きたくなったが堪えた。1日目に会おうと話しただけで、今日一緒に泊まろうという話にはなっていない。

 それでも、そういう理由で広い部屋を取るようなことをしてくれそうな優しさが、真知子さんにはある気がした。

 

「隔たりくんはお腹空いた?」

「ちょっと空いてるかも」

「そしたらご飯食べようか」

「はい。いいですね」

 

 東新宿駅から3分程歩いたところにある店に入り、ふたりでパスタを食べた。食べている間、僕らは会っていなかったこの4ヶ月間のことを話した。

 真知子さんは相変わらず仕事が忙しかったらしい。だから、この日の休みを楽しみに頑張ったと言う。

 

「それは僕に会いたいから頑張れたということですか?」

 

 思い切って冗談で尋ねてみた。

 

「そうだね。また会いたいなと思ってたから」

 

 真知子さんは恥ずかしそうにそう答えた。その表情が可愛くて、僕も恥ずかしくなった。

 また会いたいと思ってたという言葉の中に、「またキスをしたい。また裸で抱き合いたい」というニュアンスは含まれているのだろうかと考えた。僕らは4ヶ月前にたくさんキスをして、裸で抱き合って寝ている。

 それでも、ご飯を食べている間はいっさいそういう話はしなかった。そういう話をしなかったのに、ご飯を食べ終わったら当たり前のように僕は真知子さんの泊まるホテルの部屋の中にいた。

 ホテルの部屋は、真知子さんの言う通りで広かった。前回よりもベットが1.5倍ほど大きい。「疲れたあ」と、真知子さんはそのベッドに座った。

 

「お疲れ様です」

「うん。さすがにキャリーバック引きながらは疲れる」

 

 今回の東京観光は2泊3日の予定らしい。今日は僕と一緒に過ごし、明日は友達と観光して、明後日のお昼頃に帰るという。

 

「じゃあ、明日のためにもゆっくり休まなきゃですね」

 

 疲れた体をいたわるようにそう言ってしまったが、頭の中は真知子さんとセックスしたいという欲望が渦巻いていた。

 

「そうだね」

「先シャワー入りますか?」

「うーん。私お風呂長いから、隔たりくん先いいよ」

「わかりました」

 

 浴室は前回のホテルよりも綺麗で広かった。ここでイチャイチャしたいな、と思いながらモノを丁寧に洗った。

 

「上がりました」

「はーい。じゃあ入るね」

 

 だが、疲れている真知子さんのことを思うと、お風呂の中でのセックスを誘うことはできなかった。長風呂が好きということは、お風呂の時間が自分を休めるための大事な時間なのだろう。お風呂でセックスをするのではなく、むしろお風呂で体を温めてリラックスし、元気な状態になってベッドの上で濃厚なセックスをしたい。だから、僕は真知子さんを誘わなかった。

 

 ベッドに寝転がり溜まっていたラインを返す。真知子さんに会えなかったこの4ヶ月間、あまり忙しくなかった僕はまたマッチングアプリを利用し、女性と連絡を取っていた。マッチングアプリの課金には期間がある。僕は1年で課金していたので、使わなきゃもったいないという意識が強かった。なので、真知子さんがお風呂から上がるまで、暇をつぶすように返信していった。

 そういえば、真知子さんともこのアプリで知り合ったんだよな、と思い出す。今連絡を取っている女性たちには、正直まったく会える気はしていない。それでも、真知子さんには会えて、キスをすることができた。そして今日、セックスできるかもしれない。この出会いは運命なのかな、と考えるのは青臭いだろうか。

 真知子さんは今日も「眠かったら先に寝ていいよ」というような言葉を言っていない。

 目をつぶって、4ヶ月前のことを思い出した。真っ暗な部屋の中に浮かぶ、白くて美しい裸体。モノの先端が感じたキツさと温かみ。今日はその先にいけるのだろうか。

 悲しいことの後には嬉しいことが待っている。前回の広島からの体験で、僕はそんなふうに考えるようになった。広島で小夏さんと別れた悲しみの後に、真知子さんと出会えるという嬉しいことがあったからだ。

 そんなふうに今回も、真知子さんと挿入まで出来なかった悲しみの後に(後悔はしてないが)、挿入できるという嬉しいことが起こると期待せずにはいられない。悲しいことの後に嬉しいことが起こると、信じたい。

 ドライヤーの音が聞こえた。もうすぐ体を綺麗にした真知子さんが、ベッドにくる。

 

「お待たせ」

 

 真知子さんが寝転がっている僕の横に座った。少しして真知子さんも寝転がり、自然と唇が重なった。久しぶりのキスは暖かくて濃厚だった。

 柔らかな舌が重なり、円を描くように回る。唾液を巻き込みながら、お互いの呼吸に触れる。目を開いて見つめ合う。顔を斜めに傾ければ、隙間なく唇は重なる。

 服が少しづつはだけていく。肌が冷たい。それが心地よい。体を触れ合いながら、ベッドに沈んでいく。足も絡まり合い、くっつきあい、お互いの輪郭が交わっていく。

 首の下に腕を入れて抱きしめた。キスがより深くなっていく。久しぶりの真知子さんとのキスであったが、やはり相性の良さを感じた。どちらかが強引になるわけでもなく、かといって譲るわけでもない。自然にしたキスが、相手の求めるキスと一致する。滑らかに繰り返されるそのリズムが、体全身が溶けて消えていきそうなほど気持ち良かった。

 

「隔たりくん」

 

 不意に、真知子さんがそう声を漏らした。

 

「はい」

「なんか…ダメ」

 

 真知子さんは僕の肉棒を触った。

 

「隔たりくんのが…欲しくなってる」

「えっ」

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