医食同源、食こそ生命の源なり――。精力みなぎるグルメをご紹介!
【ホクホク&ガリッの二つの顔を持つ人気者】
時間に押し流される都会の夜。
「はぁ~、疲れた…。今日の晩飯は、居酒屋でホッピー飲みながら焼き鳥と煮込みでいっか~…」
サラリーマンなら、会社帰りにそんな寄り道があるのも当然。ましてや独身なら、週五日居酒屋メシなんてこともありうる。今や居酒屋は、ただ酒を酌む場所にあらず。うまい肴とうまいメシで明日の英気を養う場だ。と同時に、勃活ができれば明日もまた来る甲斐があるというものだ。
それはオシャンな居酒屋でなく、庶民的な大衆居酒屋も同じ。晩秋の週末出かけたのも、千葉の某駅近くにあるそんな安居酒屋だった。
泥酔するにままだ早い日暮れ前の時刻、狭い店の9割を占めるコの字型カウンターは、すでに8割ほどの客で埋まっている。客層は、若者カップルからお一人様のオヤジまで、休日を楽しむカジュアルファッションの客やら、仕事を終えて帰宅途中らしきサラリーマン風など様々だ。店内には、ホール係の歯切れのいい兄さんの声が響いている。
目が醒めるような鮮やかな赤い紅生姜のかき揚げをチビチビとつまみながら、楽しみに待つのは勃活グルメの定番アイテム、そう「ニンニク」だ。
かといって、餃子ではなくニラレバ炒めは前々回登場した。今回の勃活グルメはこれだ!
ニンニクはニンニクでも、食材のひとつとか調味料ではなく、見たまんま食材そのもの。ニンニクの丸揚げだ。
「えー、ニンニク丸ごとって臭いんじゃないの!?」
そう思われるだろうが、もちろん臭い。ニンニクを切ったりすりおろしたりして粒に傷をつけると、独特の強い臭いを出す。が、この臭いと風味こそがニンニクの旨味であり、勃活にも効果がある。
臭いの元は「アリシン」と呼ばれる物質で、アリシンがビタミンBと結合することで糖の代謝を促し、エネルギーに変換する。また、食物繊維は便通だけじゃなく、ダイエットにも効果的なのだ。
そんなことを頭の隅に置いて、揚げたてのニンニクが冷めないうちに、粒を覆っている薄皮を剥ぎ、その一粒をつまんでそのまま口に入れてみる。
「ほほ~、そんなに臭くない。そしてうまい!」
そう、揚げたニンニクはホクホクしていて、まるで別の食材のよう。丸揚げで傷をつけていないので、臭いもそれほどしない。素材の味そのものがいいので、何もつけなくてもうまいのだ。
でも、小皿にはせっかく味噌が乗っかっているので、次はそれを少し乗せて…。
「う~ん、少ししょっぱいけど、酒飲みにはいい塩加減かもしれん」
残念ながら当日筆者はノンアルだったので、しらふの舌には味噌味は少し濃かったのかもしれない。
「こうなったらニンニク料理で攻めてやっか」
ニンニクの意外なうまさを発見し、次に注文したのはニンニクの酢漬け。丸揚げとは違うシャキッとした食感が味わいたかったのだ。そして、アッという間に目の前に出て来たのは、薄ピンクに染まった裸のニンニクの粒。おちょこに入った姿はネコの肉球のようじゃないか(笑)。
ピンク色ということは、梅酢とシソってことか。そのまま箸でつまみあげると、これまたカワイイ。それを口に運んで…。
ガリッ!!
ガーリックだけに「ガリッ」って、ダジャレか(笑)? 予想していた食感より硬くてかみごたえ満点。丸揚げとこうまで違うのか。
歯ごたえに続いて、梅の酸味とシソの香りがスッパ美味しい。そして、気になる臭いも、お酢とシソの強力な消臭効果のせいか、ほとんど気にならない。他人様はどう感じているのかは謎だが…。
料理の調味料としてだけでなく、酒の肴となり、夜の元気の源となるニンニクは、男性にとっては居酒屋に降臨した救世主。焼き鳥やからあげもいいが、ちょっとしたツマミの選び方で、明日の朝勃ち具合も変わってくる。
疲労快復や美肌にも効果のあるニンニクで、今夜もお疲れ様の一杯…。