1時間くらい一緒に食事をして、そろそろ出ようかと声をかけ、会計を済ませると、ナナが「この後からどうしますか?」と聞いてきた。
正直テンションは下がっていたので早く帰ろうと思ったのだが、一応聞いてみた。
「まだ時間は早いから、もう一軒行きますか」
「お腹もいっぱいだし、それだったら二人きりで過ごせる方がいいかな」
あれ、と私は不思議に思った。あまり話が盛り上がったわけでもないし、彼女の愚痴を聞いてうなづいていただけなので、気に入られたとは感じていなかったのだ。
「嬉しいけど、ナナさんは大丈夫なの?」
「ええ、一緒に過ごしてもいいですよ」
実のところ気乗りはしなかったのだが、据え膳を喰わないのも男としてどうなのかと思い、店を出て近くのラブホテルに向かった。
ホテルに入る前に念を押した。
「いいんですか、こういう場所で?」
「本当はもっと普通のホテルの方がいいんだけど、今日はここでもいいですよ」
美人ではあったが、なんとなく彼女のためにシティホテルを取るのはシャクに触ったのだ。そのままラブホテルに入り、チェックインする。
部屋に入って、上着を脱ぐと、薄手のブラウスから下着が透けて見えていた。
私たちはソファに座り身体を寄せ合う。
「何か飲みますか?」
「ううん、大丈夫、ありがとう」
どうやら少し緊張しているみたいだった。
「なんだかこういうのって久しぶり」
「そうなんだ。いつもはもっといいグレードのホテルとか?」
「ううん、最近エッチはご無沙汰なの」
「えっ、そうなんだ。ナナさんだったらたくさんお誘いがあるでしょ?」
「そんなことないですよ」
気軽についてきたので慣れているのかと思ったが、そんなに遊んでいないのかもしれない。
アゴに指を置いて顔を上げさせ、軽くキスをした。
「私で大丈夫だったんですか?」
「うん、たけしさんならいいかなって。それに昨日はドタキャンしちゃったし」
「そんなの気にしないでいいのに」
そのまま唇を重ねると、ナナが口を開いてきた。私は舌を少し差し込み、ナナの舌に絡みつかせる。
服の上から手を胸に重ねる。ブラジャーのふくらみがすっぽりと掌に収まった。胸はあまりなさそうだなと思いながら、ブラの上から乳首のあるあたりを指で撫でさする。あん、とナナが小さな声をあげた。
キスをしたまま反対の手を尻の方に回し、スカートの上からまさぐる。久しぶりで気持ちがいいのか、ナナはうっとりした表情になった。
ブラウスのボタンを一つずつ外して手を差し入れると、そこは汗で湿っていた。そのままブラの下に手を入れると、予想よりも大きなふくらみがあった。その突端の乳首を人差し指でこねると、ナナはピクンと身体を揺らした。
「気持ちいいの?」
「なんか感じちゃう」
ブラウスの裾をスカートから出し、スカートのジッパーを下げていく。
「ベッドに行く?」
「うん、いいよ、行ってあげても」
あくまで、こちらが頼んでいるからエッチをしてあげる、ということにしたいらしい。プライドが高い女性だ。まあ確かにそれだけの美人なのだが、なんだか面倒くさくなってきたのも確かだ。