「彼女と結構シてるの？」
急にそう聞かれ、「あまりしてない」と俺は答えた。仕事で疲れていることが多く、朝も早かったのであまりする時間がなかったのだ。
「じゃあ、私とシようよ」
今思えば、何が「じゃあ」なのかという感じだが、セックスがしたかったので「いいよ」と即答した。
その子の体は彼女よりも細かった。Cカップほどの胸も感度が良い。フェラのテクニックも彼女と比べ物にならないほど上手だった。
いざ挿れようとなったとき、ゴムがないことに気づいた。するとその子は「あるよ」と、引き出しからゴムを取り出し俺に渡した。
そのゴムをつけて挿入する。腰を振ると、彼女は声を殺しながら喘いだ。寮なので、周りの部屋には会社の知り合いがたくさん住んでいる。そのせいか、彼女とのセックスよりも興奮した。
最後はキスを交わしながら抱きしめられ、そのまま果てた。この時にやっと、彼女と同じ部署の人とセックスしてしまったと不安になった。
「言わないから安心していいよ。言ったら私も大変なことになるしね」
そう言って、その子はタバコを吸い始めた。ピンク色の女の子らしい部屋でタバコ。そのギャップがなんだかカッコよくて、同期なのに年上の女に見えた。
その日以降、タバコ吸う人ってかっこいいと思った俺はタバコを吸うようになった。彼女に吸わないでと言われたが止められず、けっきょく彼女とは別れてしまった。
同期との女の子とはその日以降、一度もセックスをしていない。その子が会社を辞めた時、同期の男友達から「あいつ、会社の上司とか、いろんな人とヤってたらしいよ」と聞いた。自分もその中のひとりとは言えなかった。
今でもタバコを吸うたびにその子とのセックスを思い出してしまう。
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