実はこの店はいろんなカクテルを出してくれることで有名。彼女はお酒が趣味で、サトシという男性も同じだという。それでこの店で会うことにしたらしい。
店内を見渡してみたが、サトシらしき人物は見当たらない。彼女はひどく落ち込んでいるようだったので、「一緒に待ちましょうか?」と誘う。彼女は「はい」と喜んでくれた。
改めて乾杯して飲み始める。彼女はカクテルを次々にあけ、そのうちハイテンションになっていった。
俺も楽しくなり、サトシのことなど忘れてがぶがぶ酒を飲む。そこへひとりの男性が現れた。
その男性は女性の顔を見るなり、「〇〇さんですよね。遅くなってごめんなさい!」と頭を下げた。
俺はその男がサトシだとすぐにピンときて、「お役御免か…」と少し寂しくなった。
しかし男の顔を見た彼女は「誰?」とポツリ。男が「サトシです」と言っても、彼女は「誰ですか?」と困惑した顔を見せる。
すると男は渋々ながらその場を立ち去っていった。
男がいなくなると彼女は、「今ごろ来るなんて何様のつもりよ!」と、なぜか俺に怒りをぶつけてくる。反射的に「あ、ごめんなさい」と謝ってしまったが、何だか腑に落ちない。
しかし彼女はすぐに機嫌を直して、「今日は飲みましょう!」とグラスを傾けた。
それからしばらく飲んでいると、「今日は勝負下着だったのにな~」と彼女が打ち明ける。どうやらサトシのことはかなり気になっていたようで、気合いを入れてきたらしい。
そこで俺が「ヤル気満々だったんだ?」と冗談ぽく言うと、彼女がヤケに真剣な顔になった。怒らせたかな…と思ったが、そうではなかったらしい。
彼女は、「そうなんだよね~。抱いてもらえるかと思ったんだ」と言ってきたのだ。