すると電車は次の駅に到着。俺の前に居たサラリーマンが下車したため、俺は一歩前に進んだ。少し名残惜しいなと思っていると、彼女も俺にピッタリひっついた状態で前に進んできたのだ。そしてさらに彼女の後ろに人が来たせいか、ますます彼女の胸は俺の背中に密着してくる。
「マジかよ！」と思ったが、再び電車が動き出すと、揺れと同時にゆさゆさとした擦りつけが背中越しに伝わりだす。時折「わざと誘ってるのか？」と思うくらい、ぐにぐにと押しつけられるときもあった。
とにかく気を紛らわせようと外の風景や天井を眺めるのに必死。そしてようやく、電車は終点に到着。彼女は何もなかったように足早に下車し、あっという間に改札へ向かう人ごみに紛れてしまった。
現在俺は車通勤になり、満員電車とは無縁の生活を送っている。
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