失われた10年後の裏風俗街の姿
昭和に生まれ平成で繁栄した裏風俗は、その多くが令和を迎えられず、摘発や反対運動、その他の理由で消えていった。が、中には、一旦は壊滅と思われた裏風俗が、実は令和になった今も細々と生き残っている場合もある。
「雑餉隈(ざっしょのくま)」は、福岡の西鉄雑餉隈駅とJR南福岡駅の間にある小さな街。平成の時代、その街の商店街近くには本サロがずらっと並ぶ路地があり、「九州の本サロの聖地」と呼ばれていた。
筆者はその本サロ街の盛期である2000年代初頭に三回訪れている。特に03年、04年頃の雑餉隈は、ネオンきらめく非常に楽しい街として記憶に残っている。
初めて雑餉隈を訪れた夕方、その細い路地を歩くとたむろしている客引きのオッチャンが声をかけてきた。
「お兄ちゃんモーニングサービス! 今なら5000円でよかよ!!」
夕方なのに「モーニングサービス」とはこれいかに(笑)。さすがに5000円で本●できるとは思えないが、果たしてどこまでできるのか、オッチャンに誘われるまま店に入ってみることにした。