カーテンの向こう側でナニが起きてる?
前回、水島の発屋に関して書いたが、岡山県の風俗には、平成の中期まではデリヘルよりも有名なものがあった。もちろん「発屋(ぱつや)」である。広島の福山の発屋と並んで人気あったのが、田町の発屋だった。
岡山県は日本の中で最も風俗に厳しい県のひとつで、ソープランドはあるものの、他県では暗黙の了解とされている”自由恋愛”が禁止。サービスは手コキやフェラまでという、昭和30年代のトルコ風呂時代で止まったまま。数年前には、それまで2軒あったソープランドのうち1軒がヘルスに変ったのだが、「?」しか感じない利用客も少なくなかったようだ。
そんな岡山で本●が楽しめたのが、以前このコーナーでも書いた、西川緑道公園付近に現れるポン引きと田町の発屋だった。筆者が発屋を求めて岡山に行った2008年頃にはすでにかなり少なくなっていて、それでも、かつて発屋が集まっていた路地付近をさまよっている時、声をかけて来たのが黒服の男だった。
その男は尺屋(ピンサロ)の客引きだった。
「何かお探しですか?」
「いや、発屋はもうないのかなって…」
すると、大木凡人を少しだけ小柄にしたような黒服は、
「ウチも本●はダメなんですけどねぇ、まあ、カーテン引いてしまえば誰も見よらんし…。あとはお客さんの腕次第ですかねぇ」
と何かをほのめかす。発屋ではないものの、”自由恋愛”は容認しているということだろうか。しかも、
「今でしたら、巨乳の若妻と21歳のロリ系のカワイイ子がいますけどねぇ」
などと誘ってくる。料金は40分1万円と格安で、こりゃもう入るしかないのだった。
雑居ビルの2階にある店「D」は、暗い店内にはカーテンで仕切られた半個室があるのだが、他の店と違ってカーテンの中は座敷ではなくボックスシートになっていた。
発屋とピンサロの両方を合わせた感じの造りなのだが、ミラーボールもなければBGMもかかっていなかった。照明を点ければたぶん、ガランとした部屋にボックス席が1席か2席あるだけというシンプルな部屋に違いない。
(ひょっとしたら、振り替えのぼったくり店?)
そう思ったが、現れた女の子を見てびっくり。さっきポン引きが言ったとおりの、「若くて細身でかわいい子」だったのだ!