来た時とは違う路地を高架線路の近くまで戻って来ると、ひときわネオン色が濃い路地を見つけた。そこで声をかけて来たのはメガネをかけたおっちゃんだった。どことなく田舎臭くて親しみやすい。が、メガネの奥にある目のさらに奥には、さっきの男と相通ずる鋭さがあった。
「お兄さん、発屋。ハタチのコいますよ。今ならすぐ!」
おっちゃんの後ろにあった店の看板を見ると、SNSでは度々名前があがっている発屋だった。
(意外とおおっぴらに看板を出しているんだな…)
そう思いつつも、おっちゃんに誘われるまま入店した。
「飲み物はビールに焼酎、コーラ…」
受付でビールを頼み、料金は1万6000円。店内はボックスシートではなく、衝立とカーテンで仕切られた半個室が複数並んでいる。そこで待っていると、カーテンをめくって入って来たのは、ちょいぽちゃではあるが、おっちゃんの言ったとおり若くてかわいい女の子だった。
おっぱいはFカップほど。男物の大きめワイシャツを羽織り、M字開脚で目の前に座ると、脚の間からパンティが食い込んだ股間がクローズアップされて、それだけでジーパンの股間がパンパンに膨らむのだった。
うっすらと期待したのだが、残念ながら巨乳を生かしたパイずりはしてくれなかった。しかし、熱い舌と唇でサオの先っぽから根元までしゃぶってくれ、充血仕切ったところで正常位とバックでムチムチの若い身体を堪能させてもらった。約20分ほどの逢瀬だった。
その3年後に水島を再訪したが、ネオンも発屋も激減し、件の店も看板はなくなっていた。最近は週末といえど看板にネオンが灯るのは数軒のみとなっていると聞く。倉敷のスケベ野郎たちはやはり、デリヘルに流れてしまったのだろう。
規制強化と不況、工業地帯だけに景気後退のあおりを受けるのは、都市部より敏感なようだ。
〈写真、文=松本雷太〉