「大人の関係で会えますよ」
「よかったです。ぜひ一度お会いしたいです」
メールでやりとりしていると、どうやら大学に入ったばかりの1年生ということがわかった。大学に入って最初の夏休みなので、少しハッチャケたい気分なのだろう。
「明日でしたら、時間取れますよ」
「明日ですと、16時に渋谷でしたらお会い出来そうなのですが、いかがでしょうか？ お会いしてからそのままホテルに向かう形でも大丈夫なのですが、不安や心配もあるかと思うので、どうするかはお任せします」
ちょうど時間も取れそうなので、渋谷の道玄坂にあるカフェで待ち合わせをしようということになった。
経験上、こうした提案をしてくる女性には二種類いる。
ひとつは風俗などの業者が、男を誘い出そうとしている場合。会いに行くと、話していたのとは全然違う女性が現れて、話もなんとなく噛み合わないことが多い。何度か引っかかったことがあるが、こうした時に来る女性とホテルに行っても会話やエッチが事務的で、会っても全然楽しくないことが多い。
もうひとつは、普通の女性が出会いを求めている場合だ。今までの経験から、こうした女性は本当に普通の人で、時にはびっくりするような美女や可愛らしい子が現れることもある。
アスカの場合は、やり取りの感じから、後者じゃないかなと思っていた。
会ってすぐにホテルなんてずいぶん積極的だなあと思ったが、最近は出会い系サイトで会ってセックスをするのがイヤではなく、かえって食事などに誘われるのを面倒くさいと感じる女の子が増えているように思う。私としては、お茶や食事をして仲良くなってからホテルへ行くという流れを考えているが、そういう流れは省いて手っ取り早くセックスがしたいという子も多いのだ。
かといって、事務的なエッチかというとそんなことはなく、ラブラブになってセフレのような関係で付き合っている女性が私には何人かいる。そういう子でも、エッチをした後「ご飯でもいく？」と聞くと、「この後友達と食事に行く予定だから」と断られることもある。ホテルで何時間か激しいセックスをした後に、友達と食事に行く感覚が私には理解できなかったが、まあ世代の違いなのかなあと思うことにしているのだ。
アスカの場合も、いかにも普通の女の子のように感じた。いわゆる業者っぽいテンプレートを送っている感じがしなかったのだ。
翌日になって、再度メールで確認が届いた。
「カフェに入って時間を潰していると思うので、到着したら連絡いただけますか？ もし、お会いして気に入ってもらえなかったら、断っていただいて構いません」
どちらかといえば、私の方が断られる側なんだけどなと思ったが、
「なるべく早く行けるようにしますね」
と言って、今日の服装を伝えた。すると、
「服装のご連絡ありがとうございます。本日は明るめのピンクのシャツにショートパンツ、赤いリュックで行きます。こんな格好です」
と写真を送ってくれた。