「実はね、私くんの彼女の昔を良く知ってるんだよね(笑)」
「え???」
夫人が言うに、私の彼女は相当な男好きだったらしく、とにかく手当たり次第に男を喰いあさっているような、いわゆるクソビッチだったそうです。その噂も含めた過去を、夫人は全て知っているようでした。なので、仕事に打ち込む私を心配してくれていたそうです。
その話を聞いた時は、
まぁ…人には色々あるよね
と大して深く考えませんでした。
「何かあったらちゃんと私にSOSしなさいよ〜(笑)」
そんなふうに笑い話しで終わったのですが…。ほんの数日後に、私は夫人にSOSを出す事になるのです。
その日は、彼女と彼女の妹の3人で、
「たまにはラブホに泊まろう!」
という話になりました。もちろん、嫉妬深い姉ですから夢のような3Pなんてあるわけのない、レクリエーション的な宿泊です。
しかし、いつものような些細な嫉妬がきっかけで、私と彼女は大喧嘩。時刻は朝方4時、私は2人を残してラブホを飛び出てしまったのです。外は雨が降っていました。
家には帰りたくないので、ひとまずお店に避難することにしました。当面はお店での寝泊まりを覚悟した時、ふと夫人の 「SOS」を思い出したのです。
「こんな時間に失礼します! …(割愛)な事があってこれからお店に避難します(笑)。いや〜参りました。後で時間ある時にでも相談のってくださいね!」
なんてメールを送りました。すると、1分もしないうちに夫人から着信がきたのです。
「今、どこ? こんな雨の中何やってんの! すぐ迎えに行くからそこ動かないで!」
10分もしないうちに大型のメルセデスが到着しました。
「早く乗って!」
「こんな事する前にSOS出しなさいバカ!」
なんて言われながら、夫人の自宅マンションへ。