俺は「ただの旅行ですよ」と何度も言ったが、彼女はなかなか信じてくれない。
「悩みがあるなら相談に乗りますよ」
「人生には良いことがたくさんある」
彼女はそんなことを言ってくる。自殺する気なんてない俺は、正直、面倒くさくなってきた。しかし、思いがけない出会いも旅の醍醐味と思い直し、彼女との会話を楽しむことに。
すると、彼女は自分のことを話し始めた。彼女はこの町の出身で、小さな塾の経営をしているという。それからしばらく話し込んでいると、なぜか彼女の塾へ行くことになった。そこには仮眠室などもあるから、泊まればいいと誘われたのだ。
塾についてからも、彼女の話は止まらない。さすがに嫌気が差した俺は、ちょっと目線を変えようと思い、車からお酒を持ってきて恋愛トークを振ってみた。
ようやくおカタい話が終わると、何やらイイ雰囲気に。そこで俺は彼女をグッと引き寄せ、
「君に会えてよかった」
と自分でも驚くほどキザな言葉を呟いた。しかし、この歯の浮くようなセリフがドンピシャだったようで、彼女は途端に目をトロンとさせる。すかさず俺はキスをして、「イヤだったら言ってね」と彼女の胸を揉んだ。