「エッチしたことないの?」
「うん、まだない」
「えっ、じゃあそのアメリカにいるパパとは?」
「いつも口で抜いてあげていて、セックスはお預けにしてるの」
「えー、ホントにぃ?」
「だって、軽い女だって思われたくないんだもん」
言っていることと行動が全く合っていないが、本人の中では整合性が取れているのだろう。
「そのパパ、来週日本に帰ってくるんだけど、うまくエッチできるか不安なの」
「そういう悩みなの? 処女なんだったら、相手に全部まかせちゃえばいいじゃない」
「最初に彼に会ったとき、なんとなく勢いでもう処女じゃないって言っちゃったの。だからフェラとかも得意ってことになってて、頑張ってイカせてるの。嘘ついているのがばれちゃう」
レナは困ったような表情を浮かべ、またスマホの画面に送られてくるパパに返信を送った。
話が突拍子もない方に進んでいくので、最初は親身に話を聞いていた私もだんだん適当に返すようになっていた。
「じゃあ、レナちゃんの処女を代わりにもらってあげようか?」
あまりにも悩んでいる様子だったので、茶化すように言った。だが、レナはそれを真面目に受け取ったようだ。
「えっ、ホントに? そうしてくれると嬉しい」
「本気なの?」
「もちろん本気だよぉ」
もともとセックス目当てで誘ってはいるのだが、初対面の処女の子を抱いていいのか、複雑なレナの人間関係に巻き込まれはしないか、と迷った。
「初めての相手が私で後悔しない?」
「しないよぉ。それより早くエッチを体験してみたい」
可愛い子にそう言われては、もう後に引けない。居酒屋を出て、近くのラブホテルに入った。
少しいい部屋を選んだため、中に入るとレナは「わあ、広い」とはしゃいだ。ソファに座ってサービスのドリンクを飲みながら雑談をしていると、大きなテレビスクリーンを見て彼女が言った。
「アダルトビデオも見てみたい」
リモコンでアダルトビデオを表示させる。レナは恥ずかしがることもなく、まじまじと見ていた。エッチに関して、好奇心旺盛なようだ。私はレナの顎に指を置き、顔を上げさせてキスをした。
「こうやってキスするの、なんか新鮮」
あまりにも緊張していないので、本当に処女なのかと疑ったが、まあそういう子なんだろう。
「一緒にシャワーを浴びる?」
「うん」