毎日のようにメールをしていると、本当の女子大生、ということが会話の端々から感じられた。スポーツサークルに所属していて、練習や合宿で毎日忙しいようだ。話を聞いていると、どうも私の大学生のときと同じような専攻をしている気がした。
「もしかして○×学部?」
「そうですよ、よくわかりましたね」
「私はK大学の○×学部だったから」
「えー、ホントにぃ? あたしもK大の○×学部です」
ウソのような話だが、レナは私の後輩に当たる女子大生だった。私が卒業したのは数十年前だが、同じ大学ということで話は弾んだ。なんとなく大学の後輩には手を出しずらいなあと、誘うのをためらっていたのだが…。ある日、彼女の方からお誘いがあった。
「たけしさん、お時間があったらお会いして相談させてもらえませんか? 彼氏のことで、どうしたらいいか悩んでいて」
まぁ大学生だから彼氏くらいはいるだろう。恋愛相談くらいだけど、会ってみるかという気になった。通学の途中で寄りやすいということで、渋谷で会うことにした。
待ち合わせ時間から少し遅れて、カジュアルな服装の女の子が近づいてきた。最近人気のファッションモデル兼グラビアモデルによく似た雰囲気で、猫のようにキリッとつり上がった目をした美人。自分で言っていたように、かなり華奢な女の子だった。
「たけしさんですか?」
「レナちゃんだね」
その日は夏も近くて暑かったので、レナはピチッとしたTシャツにショートパンツという肌を露出した格好だった。
「ご飯でも行こうか」と誘い、近くの居酒屋に入る。同じ大学の先輩後輩という親しみもあってか、初対面という気がせず、すぐに打ち解けた感じになった。もともとレナが年上の男性に気後れしないタイプだということもあるかもしれない。顔の雰囲気も、何気なく甘えてくるところも、なんだか猫みたいだなあと思った。
「彼氏のことで相談あるって言ってたけど」
飲み物と食事を注文してから聞いた。
「実は彼氏っていうか、パパみたいな感じの人で…」
「なんだ、パパがいるんだ」
自分のことは置いておいて、ちょっとガッカリした。
「うん、実はいまパパになりたいっていう人が二人いるの。一人は身体の関係なしで月決めでお小遣いを振り込んでくれるって言っていて、もう一人は会社を経営していてお小遣いとは別にマンションを借りてくれるから愛人になれって言われてて、どうしようか悩んでるの」
「レナちゃんの好きにしたらいいんじゃない? 最初の人はセックスしないでお小遣いくれるんでしょ?」
「うん、でも、その人は変態なの。自分じゃもう勃たないんだけど、あたしのオナニーを毎週見せるのが条件なの」
「なにそれ。エッチはしないの?」
「うーん、勃たないんだけど、若い女の子の身体は見たいだって。お金はいっぱいあるから月決めでお手当てくれるって。でも変態だからなあ」
「そうなんだ。じゃあもう一人の方がいいんじゃない?」
「その人のことはすごく好きなんだけど、メチャクチャ束縛が激しいの」
「いくつの人?」
「50歳」
私と同年代だった。