「ちょっと、ヤバくない?」
それは女の声だった。さらに、
「みんな寝てるしわかんねーよ」
という男の声も聞こえてくる。おそらくバスで出会ったグループだろう。
その後、一瞬の沈黙があったかと思うと、
「うん…ア…、あん」
という女の吐息と、チュパチュパとキスをするような音が聞こえてきた。明らかに何かが始まりだした音だった。
しばらくすると、チュパチュパとした音は、ズズッというバキューム音に変わった。おそらく女がフェラチオを始めたのだろう。俺は気づかないふりをしていたが、
「なんか始まってるね」
と彼女がつぶやいた。しかし彼女も気になるらしく、部屋の中には戻ろうとしなった。
そんな俺たちなんてお構いなしに、「アン、アン」と女が声を殺しながら喘いでいる。最初は我慢していたようだが、気持ち良さには勝てなかったのだろう、
「中はダメ、外に出してぇ!!」
というのが、俺たちのところまでバッチリ聴こえてきた。
「あぁつ!」
おそらくフィニッシュを迎えたのだろう。辺りが再び静寂に包まれた。
こんなものを聞かされたら、当然俺の息子はフル勃起。すると缶ビールを飲み終えた彼女が、
「当たってるよ」
とボソッと言った。