1時間ほど過ぎたころだろうか、酔った男性社員が、「佐藤さんってさ、この中なら誰がタイプ?」といきなり彼女に尋ねた。
「えー、そんなの言えないですよー」
そう佐藤さんは言ったが、男性社員は「選ばれなかったからってどうもなんないからさ(笑)。正直に!」と迫る。すると彼女は、「んー、○○さんですかね…」と私を選んだ。
予想だにしなかった言葉に、私はレモンサワーでむせてしまった。
他の男性社員が取り乱す私に大笑いしながら、
「おぉー、そうなんだ! こいつのどこがいいの?」
などと佐藤さんに詰め寄る。彼女は、
「だって、○○さんって普通にカッコよくないですか? お洒落だし、優しいし、会議でもどんどん発言してて。素敵だと思いますよ」
と酒のせいか分からないが、私のことを褒めまくる。私は、
「いやぁ、まさか佐藤さんにそこまで言われるとは思わなかった。今日ははるばる来て良かったわ!」
と茶化しながら答えた。
その後、二次会で別の居酒屋へ。そこで彼女は私の隣に座った。彼女は清楚な見た目とは裏腹になかなかのハイペースでカクテルを飲んだ。