「やっぱり、もう少し考えてから電話しますね。主婦だし、顔バレまずいし、悩んじゃうわよねぇ」
と菜々子。結局は冷やかしかよ!って言いたいのをグッと堪えて、電話を切ったんですね。
ところが、その翌日から…。
「川田さんいます?」
と、菜々子が僕を指名して電話を寄越すようになったんです。
「お忙しいとこ、ごめんなさいねぇ。あっ、モデルの件はまだ考え中なんだけど、風俗っていくらくらい稼げるのか教えてもらいたくて」
こういう図々しいところがアラフォー主婦のいいところ、っていうんですかね(笑)。他の日には、
「AV男優さんがやってる女性向けの性感マッサージ店を見つけたんだけど、怪しい店なのかな。いったら無理矢理ヤラれちゃったりしないのかしら」
なんて話のときもありましたね。ですが「その後、エロ本モデルやってみる決心はつきましたか?」と聞くと、
「それねー。ごめん、まだ決心つかないのよぉ」
毎回、決まってこの答え。単なる暇つぶしなんでしょうね。
(専業主婦ってやつは、喜楽でいいご身分だよ)
なんて思っていたんですが…。何度も電話対応しているうちに、段々と気になってくるもので、菜々子の姿を妄想するようになっていったんですね。
(電話の内容からいくと、スケベには違いないんだよなぁ。どんな顔してんだろ。意外と美人…いやいや、直接面接に来ないとこをみると、容姿に自信のない太ったオバチャンなんだろうな、きっと)
最初の電話で年齢は44歳だと言っていましたが、それだって本当とは限りませんからね。
すると、ある日のこと。いつものように菜々子からご指名電話があったんですが…。