Aちゃんはすぐに相談の内容を教えてくれた。それは予想だにしない話だった。彼女は私の部下と不倫をしていて、そろそろ関係を断ちたいのだが、「どう伝えていいのかわからない」というのだ。（Aちゃんのことをアドバイザーに推薦したのが私の部下だったみたい）
正直、私は「こんな可憐な女子大生と不倫するなんて…」と部下をうらやましく思った。しかしそんなことは口が裂けても言えない。私は真剣な表情で、「う～ん」と考え込むふりをした。
「とりあえず、◯◯君（部下）には私から伝えます。部下の不倫を見逃すことはできないからね。あ、でも、あなたから相談を受けたことはナイショにしておきますから」
私の言葉に彼女は嬉しそうにうなずいた。
その日、私は「彼女のために」と思いながら部下を呼び出して、不倫のことについて聞いた。彼は不倫を認め、家族のためにAちゃんと別れることを約束してくれた。
数日後、私の携帯にAちゃんから連絡があった。出ると、彼女は「ありがとうございます」と嬉しそうにお礼を言ってきた。聞けば、部下から別れを切り出され、後腐れなく縁を切ることができたという。
Aちゃんは「お礼がしたい」と私を食事に誘ってくれた。私は邪な気持ちなどなく、「それは嬉しいね。ありがとう」とOKした。
それが間違いだったのか、大正解だったのか…。食事後、私たちは一夜を共にすることになる。その話はまた今度。
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