「ねぇ、チカちゃん。お店終わった後、ちょっと付き合ってくれない?」
「えっ、お店終わってからですか?」
「うん。タクシー代は出すからさ」
「うーん…。うん、いいですよ!」
あっさりOKをもらえ、ちょっぴり拍子抜けした。
今日はお客さんも少なく早めに上がれるとのことだったので、日付が変わるくらいに店を出ることにした。
「さぁ、どこに行きましょうか?」
「この辺のことは全然知らないからなぁ。どこか美味しいもの食べれるところある?」
「それなら、美味しい串焼き屋さんがありますよ。こっちです!」
彼女に手を引かれ、美味しい串焼き屋さんとやらに向かう。
実際、そのお店の料理はどれも絶品で本当に美味しかった。
スナックでの酒が抜ける前にさらに飲んだことで、私たちはすっかりできあがってしまった。
だが、私の本当の目的はこれからだ。
「チカちゃん。このまま俺の泊まってるホテルこない?」
「えー…。行っちゃってもいいんですか?」
「もちろんだよ。じゃあ…行こうか」
相手の気が変わらないうちにタクシーを捕まえ、自分の宿泊するホテルに向かった。
※ ※ ※
ホテルの部屋に入ると、チカは一目散にベットに向かい、仰向けに倒れ込んだ。
「ベットとか久しぶりだぁ…」
「家では布団派なの?」
「んーと、ソファで寝てます(笑)」
チカは少し照れたように笑った。
こういう可愛らしい仕草が人気の秘密なのかもしれない。
私は彼女の横に腰掛けると、そのまま覆いかぶさった。
目と目が合い、徐々に顔を近づけ、避けられないことを確認してから唇を重ねた。