「川田くん、仕事何してるの?」
「雑誌編集の仕事してるんだよ。大きな声じゃ言えないけど、作ってるのはエロ本なんだよね」
「へぇ、そうなんだ。私も大きな声じゃ言えないけど…実はいろいろあって、スナックでホステスしてるの」
そう、我々ふたりは“何とな〜く後ろめたい職業”の者同士だったんです。なもんで、ヒソヒソ話をしながらすっかり意気投合。
「今度、お店に飲みに来てよ」
という展開になり、その後は客とホステスという間柄になったんです。すると、何度か通ううち、
(いつか、アフターでセックスできるかも♪)
なんて下心も芽生えてくるもの。でも、まさかあんなカタチで、その願望が叶うことになろうとは…。
彼女の店には2カ月に1度といったペースで飲みに行ってました。そして、同窓会での再会から半年が経とうかというある日、彼女から相談があると電話があったんです。なにやら神妙な感じだったので会いに行くと、花子の口から意外な発言が飛び出しました。
「私、風俗やろうと思ってるんだけど…どう思う?」
聞けば、男に騙されて500万円の借金を背負うハメになってしまったと言うじゃありませんか!
「確かに、頑張って風俗で働けば2年くらいで返せる額かもしれないけど…本気?」
「うん、本気」
それならば、僕がお金を貸せない以上、応援するしかありません。それに、エロ本編集者ですから、風俗の裏事情も知る身。風俗をやる上で気をつけなければならないことなどをレクチャーし、最後に、
「何にせよ、ダラダラやらないこと。借金を返したら風俗はすっぱり辞めるって決めてやらないと」
と、アドバイス。そして、そんな話が一段落したときです。彼女が、またまた思いもしないことを言い出したんです。