――ご当地感っていうのはあるんですか?
はる:県民性をよく聞かれるんですけど、県民性というより、お店の色? 私が行った山梨のデリヘルはすごい良かったんですけど、山梨の別のデリにいったコは、あんまり良くなかったらしいです。
――全国の風俗店を廻って、一番印象がいいのはどこですか?
はる:ベタかもしれないですけど、やっぱり“すすきの”ですね。あれだけ大きなビルに風俗店がバーンって入ってるのがすごいなって。食べ物も美味しいし(笑)。
――そこでは何を?
はる:マットヘルスです。
――逆にここは失敗したかなっていうのは?
はる:九州のとある県のソープです。ホンの数軒しかソープがなくて、そこの店長がちょっと上から目線だったかな(笑)。
――印象に残ったお客さんはいますか?
はる:岡山の回春マッサージのお店だったんですけど、ドライオーガズムができるお客さんで、30分間で10回くらいイっちゃうんですよ、女の子並みに。めちゃくちゃ楽しかったです(笑)。あと、山形のデリヘルで、奥さんのパンストを頭にかぶる人がいて。
――自分で持ってきて?
はる:そうなんです。「僕、パンスト好きなんです」って言うから、履いてくれって言われるのかなと思ったら、「かぶっていいですか?」って(笑)。かぶった状態で「顔にオシッコかけてください」って言うんで、「あーいいですよ」って(笑)。
東京の風俗って細分化されているので、マニアックなお店でないとマニアは来ないけど、地方だと普通のデリヘルで変態さんと出会えちゃいますね(笑)。違いはそこかな。
――今まで、いろんなお店でいろんなお客さんに会ったと思うんですけど、仕事上、常に心がけていることとかありますか?
はる:あまりに普通のことなんですけど、お客さんが求めているものをできるだけ提供できるように、ですね。
――それをどうやって探りだすんですか?
はる:基本的には私が積極的にいくんですけど、例えばベッドに押し倒そうとした時 、お客さんが寝て私が上になるようだったら、ある程度攻めてもいいのかなって。だけど、上に乗っかってくるようだったら、攻めたいんだなみたいな感じで。
あと、会話の流れとかですね。「くすぐったい?」とか、乳首さわりつつ「ど~う?」みたいに、口に出して聞きながら、ウフフ。
――客の立場からしたら、「こうして欲しい」って言っちゃった方がいいんですかね?
はる:それが助かります。最初から「こういうのが好きで」って言ってくる人がたまにいるんですけど、めっちゃ助かります(笑)。初対面で60分やそこらの短い時間では分かり合えないですから。だから、「悟りきれずに終了してゴメン」みたいな時も正直あります。
例えば、ソープだったら、90分とか120分コースなら一回戦終わってもまだ時間あるじゃないですか。 一応、マットもあるし、マッサージもできるし、そのままベッドでイチャイチャしてもいいっていう、そういう、何でも対応できるんだよっていうスタンスでいるようにします。
※ ※ ※
最初に感じた「頭のいい」印象は最後まで変わらなかったが、違っていたのは、実は「M」だということ。そして、インタビュー中にも絶えない笑顔の人。後編は、風俗の枠を超えた分野での活躍を探る。
(写真・文=松本雷太)