――でも、女性が裸の仕事を始めるって、結構ハードル高いと思うんですけど。
山村:ねー。なんなんでしょうね、あんまりなかったですね。私、キャバは向かないって思ってたんですよ、お酒は好きなんですけど。よく言うじゃないですか、「キャバの経験もなく風俗?」って。私は別の仕事だと思うんですけど…。共同作業するのが向かない人なんですよ、ヘルプに入ったりとか…。
――チームワークが…。
山村:そそそ。できないんですよ、協調性がないので。風俗って、自分ひとりで仕事が進められるじゃないですか、お客さんとふたりだけの空間なんで。それに私、(営業)メールって得意ではなくて、めんどくせーって思っちゃう方なんで。キャバや風俗の仕事って、結局、時給制なわけじゃないですか。私にとって(営業)メールは、時間外労働なんですよ。
――風俗のお仕事を始めて、苦労したことはありましたか?
山村:苦労か~苦労…、何だろうな~。あったんだろうけど、あんまりね、苦労を苦労と受け止められない人なんですよね(笑)。おっ、ヤッバいの来ちゃったぞっていうのはありましたけど。
――どんな?
山村:お客さんが、おクスリの中毒患者さん風だったり(笑)。そういう「ピンチ~!」みたいのは苦労とは違いますよね(笑)。でも、自分のアイデンティティーが風俗にしか持っていけなかった時っていうのは、苦労っていうか、そこが大変だったかな。なんだろ、お金じゃないんですよ…。
――風俗の仕事なのに?
山村:そうそう。予約の本数が少なかったり入ってなかったりすると、必要とされてないみたいな気持ちになっちゃって…。
――じゃあ、お客さんの顔が諭吉に見えたりすることも…。
山村:全然ない。むしろ、もらった現金にはそんなに興味ないんですけど、明細にめっちゃこだわるんですよ。“今日、私が必要とされた数字”だから、私は明細の方が大切でした。
――それおもしろいですね。
山村:だから正直、財布に入ってるお金が2、3枚抜かれてても気がつかないです。けど、明細の数字だけは、千円でも間違っていればスタッフさんに直してもらうんです。なぜなら、私が必要とされた証拠だから。
――それは今でも変わってないですか?
山村:変わってない。今はちょっと大人になって、お金の管理はしっかりしなきゃなって思うけど、感覚は変わってないです。
――でも失礼な話、地下アイドルってそんなに稼げないって思うんですけど…。
山村:稼げないですね。