――こ、こんにちは。今日はよろしくね。
みさき:はい。こちらこそよろしくお願いします。
きちんと相手の目を見て挨拶してくるみさきチャン。
長年の風俗取材の経験から、この挨拶だけで彼女の性格の良さはすぐに分かった。きっと、相手のことを思いやれる優しい性格の持ち主に違いない。
――それにしても綺麗だなぁ。写メ日記の写真も綺麗だったけど、実物はそれ以上だね。
みさき:い、いきなり褒め過ぎですよ。
――いやいや、本当だって。乃木坂の白石に似てるってよく言われない?
みさき:な、ないですよぉ。あんなに綺麗じゃないです。
――いやいやそんなことあるって! 本当に言われたことないの?
みさき:乃木坂にいそうだって言われたことならありますけど…。
――なるほどね。きっとみさきチャンにそう言った人は、頭の中に白石の顔が浮かんでいたはずだよ。
みさき:そ、そんな。本当に似てないです。
――じゃ、そういうことにしておこうか。
みさき:はい。
――このお店に入ってからどれくらい経つの?
みさき:だいたい1カ月くらいですね。
――マッサージすることには慣れた?
みさき:はい。まだまだ練習中なんですけど、入店当初のお客様から「上手になったね」って褒められるようになりました。
――へぇ。それは嬉しいね。
みさき:はい! マッサージが上達するとお客様の反応がはっきり分かってくるので、楽しいです。
――なるほどね。みさきチャンは褒められて伸びるタイプなんだね。
みさき:たぶん、そうだと思います♪
――みさきチャンをよく指名するお客さんって、どんな人が多いのかな?
みさき:うーん。いろいろですけど、話が合う人が多いような気がします。
――どんな話で盛り上がったりするの?
みさき:お客様によって違いますけど、私が一番好きなのはアニメの話ですね。
――アニメ? みさきチャンってアニメが好きなんだ?
みさき:はい。超がつくほど好きです!
――へぇぇ、意外だなぁ。休みの日とかは外で遊んでそうに見えたよ。
みさき:お休みの日は家にいることが多いですね。アニメを観て体を休めてる感じです。
――それじゃあ、アニメ好きのお客さんとは話がすごく合いそうだね。
彼女がアニメ好きだとは意外過ぎた。アニメオタクの男性がそうと知らずに彼女を指名したら、涙を流して喜ぶだろう。
こういったギャップも彼女の人気に一役買っているかもしれない。