【元デリヘル店長の回想録】売れていなかったオタク系キャストを人気嬢に育てた話



【プロデュース開始から2カ月後】

 あとは面白いくらいに簡単だった。

 知名度の低さから新規指名が少なかったアリサの毎日は劇的に変化。毎日のように鳴る予約の電話、本指名の圧倒的増加…彼女の持つポテンシャルが存分に発揮され始めたのだ。


「まさか、言うとおりにしてるだけでこんなことになるなんて…」

「俺はきっかけを作っただけだよ。8割はアリサちゃん自身の力だよ」

「そ、そんな! 店長が協力してくれたおかげですよ!!」

「ランキングに食い込めるまでになったのは、やっぱり君の実力だよ」

 これは謙遜でも何でもない。実際にプロデュースしたところで、仕事に真摯に向き合えないキャストはすぐに売れなくなる。どれだけ新規客が取れても、本人に客を掴む力がなければ絶対に稼ぎ続けることはできない。店に頼りきりの集客方法では、いつか限界がくるのだ。

 アリサは、その点において十分すぎるほどの実力を持っていた。一人一人のお客様に丁寧な接客を心がけていたからこそ、ランキング入りするほどの人気嬢になったのだ。

 その後、アリサは1年にわたりランキング常連の人気嬢として勤め、卒業した。

 余談だが、風俗卒業後はその時作ったブログをさらに編集して、自身のエロ写メ販売サイトとして運営しているらしい。金を稼ぐことにストイックな、何とも彼女らしい行動だなと思った。
(文=小鉄)

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