【元デリヘル店長の回想録】金持ち客を次々に射止め、わずか半年でグループNo1に上り詰めた天才デリヘル嬢

 次の日、予定通りNは○○さんの元に派遣された。

 利用するホテルもこの地域では最高級のホテル。プレイだけでなく、ホテル内での食事や近くのモールでショッピングを楽しんだそうだ。

 しかしこれは、Nの伝説的な集客の一部に過ぎなかった。


【どんどん集まる本指名客】

 Nの指名料は、ウチの店の中でもダントツに高かった。具体的に言えば、他のキャストと5000円の差があった。

 そのため、一般的な客はなかなかNを指名しようとしない。考えていた予算よりも5000円も高くなるのだから当たり前だ。

 彼女の指名料が高い理由は、純粋に見た目が良かったこと、業界未経験というブランドがあったこと、なにより接客業向きの人当たりがいい性格にあった。

 そのすべてがあったからこそ、彼女とスカウトマンの要望であった「高い指名料」の条件を飲んだのだ。

 その高い指名料が、逆に「餌」となった。お金に余裕のある客の多くが、「じゃあ一回遊んでみるか…」と、興味本位で彼女を指名。値段が高いからこそ、効率良くお金のある顧客を掴むことができたのだ。

 そしてNには、そうして集まったお金持ちたちの心を射止める才能があった。

 彼女と遊んだ客らは、次々に本指名客として返ってきた。しかも、そのすべてが資金力のある顧客ばかりだ。

 オープンして3カ月後には、予約が入れば常にロングコースや貸し切り。客の人数は多くないのに、圧倒的な売上を叩き出す状態となった。

 Nが出勤するだけで20万円以上の売上が確定する…駆け出しの店長だった私にとって、これほど心強いパートナーはいなかった。

※ ※ ※

 私が所属していたグループでは、年に一度、本指名や稼いだ金額に応じて賞金が与えられる「表彰式」なるものがあった。

 特に稼いだ額で競う表彰式でグランプリを獲った者は、風俗関係者の間でも話題になり、風俗雑誌やネット媒体などで引っ張りだことなる。

 出演料なども貰える上に、有名媒体で宣伝してもらえるというおまけつき。このグループに所属するキャストにとって、ひとつの目標となるイベントだった。

 この表彰に選ばれるためのエントリー時期は、イベント開催の半年前。それは私が店長に就任する3カ月前で、まだNと出会ってもいないころだ。

 ということで、この時、Nはエントリーすることができなかった。オーナーに何とかならないか掛け合ってみたが、残念ながら私の要求が通ることはなかった。

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