「えー! 風俗のスカウトさんなの!?」
「実はそうなんだよね。びっくりした?」
個室居酒屋に入り、こちらの仕事を明かすと、彼女はちょっと大げさに驚いてみせた。
彼女の名前はユリエ。20歳の大学生だった。
「びっくりしたよ、ただのナンパだと思ったから…」
「あはは、ごめんね。いつもこの辺で遊んでるの?」
「うん。本当は今日も友達と遊ぶ予定だったんだけど…」
「ドタキャンされたって言ってたね(笑)」
「もーマジであり得ないって思った! これだから男は…」
「遊ぶ相手って、彼氏さんだったの?」
私のこの言葉に、ビールを飲みながら手をぶんぶんと横に振るユリエ。
「ちがうちがう、男友達だよ。彼氏はいませーん」
「そうなんだ。ユリエちゃん可愛いから彼氏いるのかと思った」
「いないよー。っていうか、その男友達ってのもセフレみたいなもんだし(笑)」
「えっ、セフレ?」
「うん、セフレ(笑)。私、結構エッチするの好きだからさー。まぁ、ヤリマンってやつですよ」
「おにーさんもこの後行くでしょ?」
「えっ、どこに?」
「んふふー。ラ・ブ・ホ♪」
酒が回ってきたのか、とろんとした表情で甘えた声を出してくるユリエ。さっきまでケラケラ笑っていたのがウソのように色っぽかった。
「それにアタシ、風俗のお仕事に興味ある! もっと詳しく聞かせてよー」
とりあえず、この流れでラブホテルに向かうことになった。