それにしても、今年もかわいいコが多いなぁ…。
そこかしこでカメラ小僧に撮影されている女のコたちを見ながら、そんなことを考える。
そこで、人混みの少ない場所で携帯をいじっている女の子と目が合った。
「こんにちはー。あっついですねー」
「えっ、あっ、こんにちは!」
「お姉さん、すっごく可愛い! ○○のキャラですね」
「えへへ、分かりますか?」
「うんうん! 声優の○○さんがやってるのがいいよね」
「ですよね! あの人の声はアタシもピッタリだと思います!」
よしよし、共通の話題でとりあえず掴みはオッケーだ。
深夜アニメのキャラクターのコスプレをした彼女は、非常に整った顔立ちだった。
露出の多い服なのに、それを見事に着こなす抜群のスタイル。
こりゃ、(撮影場所の)中心に陣取れば、すぐカメコ(カメラ小僧)に囲まれるだろうな…。
それに、化粧の仕方も上手い。無駄に濃いところやムラがなく綺麗な印象だ。
会話を弾ませながら、怪しまれない程度に彼女について探っていく。
彼女の名前はレイカといい、コミケは今年初参加だった。
「今日はまだ回ったりするの?」
「いえ、お写真もたくさん撮ってもらったので、そろそろ帰る準備をしようかと…」
「あっ、そうなんだ。だいぶ囲まれたんじゃない?」
「そうですねー、ありがたいことに(笑)。でも、ちょっと人の多さに疲れちゃいました」
「確かに暑さもヤバイしね。レイカちゃん、良かったらもう少しお話できない?」
「えっと。まぁ、特に予定はないですけど…」
特に嫌がる素振りを見せなかったので、彼女を連れて会場を後にした。
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