「Y子さんもホテルに戻るんですか?」
そう聞くとY子は、「Sくん帰るんでしょ? 私、M子みたいにお酒そんなに強くないし英語喋れないからSくんについていく」という返事があった。Y子の舎弟分である事務員のM子は、大の酒好きで人懐っこいため、この日は工場勤務の若手とともにネオンきらめく夜の街へ消えていた。
Y子と一緒にホテルに向かって歩いていると、タイの古式マッサージの看板を発見する。すぐにオレは、寝る前にマッサージをしてもらいたくなった。
「Y子さん、オレ、マッサージに行きたいんですが…」
「じゃあ、付き合うよ。私も肩凝ってるし」
ということで、さっそく店へ入った。
店の受付には、パイナップルみたいな髪型のマッチョなお兄さんと背の低いパグ犬みたいなブサカワなお姉さんがいた。オレは咄嗟に「うわっ最悪。絶対パイナップルがオレにつくやん」と思いながら2時間コースを頼む。すると、12時閉店なので「2時間はムリ」とパグに言われた。 この時、午後10時半。しょうがないので1時間コースを頼んだ。
「Y子さんも古式の1時間コースでいいでしょ?」
「私、この90分オイルマッサージにしたい」
「おいおい、オレに30分も待たせる気か…」と内心思いながらしぶしぶ通訳をした。
今回筆者が訪れているのは、港区・高輪のアロマエステ店『アロマファンタジー高輪』。 お相手は、174センチという高身長でモデル体型のまおりチャンだ。彼女へのインタビューを終え、ようやく体験取材が始まった。