ランキング入りのお祝いは、ステーキ専門店だった。
「店長のお陰で、本指名のお客様が増えました。ありがとうございます」
「いやいや、椿ちゃんが頑張ったからこその結果だよ」
「いえ…あの時店長がエステの経験を生かす接客方法をレクチャーしてくれなかったら、今の私はありませんよ」
この礼儀正しさも、人気を集める理由のひとつに違いなかった。
「て、店長。そ、それで…」
「うん?」
「もしよかったら、この後、どれくらい私が上手くなったか見てくれませんか?」
頬を赤らめる椿。
「そんなの…オッケーに決まってるじゃないか!」
こうして私たちは、店を出た後、ラブホテル街に向かうのだった。
(文=小鉄)
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