入室から数分、エステの経験者というだけあって流れは完璧だった。
靴を揃える、上着を預かる、空調を整える…。
ここまでは、特に教えることは何もなかった。
「すごいね、椿ちゃん。完璧だよ」
「えへへ、ありがとうございます」
だが、ここからは彼女も初めての仕事のはず。
「それじゃあ、シャワーを浴びるから、椿ちゃんも脱ごうか」
「は、はい!」
おずおずと服を脱ぎ、私の服と一緒に綺麗に畳む椿。
こうした気配りも大きな評価ポイントだ。
「お客様を洗う時は、しっかり密着して手のひらで優しくね」
「こ、こうですか?」
「うん、いいね」
たっぷりボディーソープを体にまとわせて洗体。
肌を密着させながら体で体を洗うこの気持ち良さは、何度味わってもいいものだ。
椿のキメ細かいスベスベの肌が私を興奮させた。
愚息がいきり立ってしまう前に、シャワールームを後にしてベットに腰掛けた。
「それじゃあ、さっそく始めてもらおうかな」
「はい! ちなみに、オイルとかローションって使ってもいいんですか?」
「うん。でも香料のあるものはお客様に聞いてからにしてね」
「わかりました。ありがとうございます!」
と、ここで私は思いつく。
(これ、性感エステの時と同じ方法で接客してもらえば、良さが分かるかもしれないな…)
「ねぇ椿ちゃん。ヘルスのサービスはとりあえずいいから、エステ店でやってた時みたいなサービスしてくれないかな?」
「へ? それでいいんですか?」
直前まで講習してたのに、突然こんなことを言い出せば、驚くのも無理はない。
「うん、お願いできる?」
「わかりました。じゃあ、リラックスしてくださいね」