SMを通した男女の関係性の変化を描いた映画『ご主人様と呼ばせてください』ヒロイン・行平あい佳インタビュー! 「自分の持っているものを全て賭けるつもりで臨みました」

■SMは企画力、サービス精神が重要!?

――行平さんのプロフィールを語る上で、外せないのは家族の存在。“ロマンポルノ界の聖子ちゃん”として1980年代に一世風靡した寺島まゆみさんが実の母親!

行平:私が生まれたとき、母は芸能活動から離れていましたし、母から「私は女優だったのよ」と聞かされたこともなかったんです。ですが、私がまだ小さい頃、母は『アベックモンマリ』(99)で大杉漣さんらと共演し、劇場の楽屋に連れて行かれたことがあったりしたので、少しずつ理解した感じですね。楽屋で「千疋屋」のグレープフルーツゼリーを食べたことは鮮明に覚えています(笑)。

――森田芳光監督の『ピンクカット 太く愛して深く愛して』(83)など、寺島さんがロマンポルノ界で活躍していたことを知ったのは、いつ頃でしょうか。

行平:はっきりとは覚えていませんが、大学時代には知っていました。「えっ、お母さん脱いでたの?」みたいな抵抗はありませんでした。大学では自分で映画を撮っていたこともあって、「名だたる監督たちと仕事をして、15本も主演したなんてスゴい!」という尊敬の念しかありませんでしたね。

 

 

――女優を目指すようになったのは、寺島さんの存在が大きかった?

行平:もともと私は小説や漫画を読んだり、物語の世界に触れることが好きだったことが大きいと思います。でも、母にお願いして、弟と一緒に『ハリー・ポッター』(01)を新宿ミラノ座あたりで見たりして、子どもの頃から映画って面白いな、映画館に行くのって楽しいことなんだなと感じるようになっていました。弟(小林卓生)も俳優をしていることもあって、弟がレンタルしてきた映画を家族で一緒に観たりもします。映画を身近に感じられていたことが、映画の撮影現場を仕事先に選んだことに影響しているのかもしれませんね。


『私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください』より (c) KADOKAWA 2018


――メンズサイゾーの編集長から「実生活でもMなのか、それともSなのか確かめてこい」と厳命されてきました。『ご主人様と呼ばせてください』ではタブーなき美しき女奴隷を演じていますが、行平さん的にはどうでしょうか。

行平:SかMかの二択で答えなくちゃいけないのなら、私はやっぱりMだと思います。今回の撮影で、そのことを実感しました。Sの方ってサービス精神が旺盛というか、いろんなプレイを発案できる企画力がないと務まらないなと思いました。Sの方ってプロデューサー気質じゃないでしょうか(笑)。私はそんなに多くのアイデアを思い付きません。企画力って一種の愛情であり、親近感の顕われでもあることが、今回の撮影を経験してよく分かりました。目黒に隷属する明乃を演じていて、すごく居心地のよさを感じたので、私はどうもMのようです(笑)。

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