逆にデリヘルは、オースリーが現役のころより多数の店舗がヒットする。日本橋のデリヘルがどこで遊べるのか、そのあたりも気にしつつ、「日本橋の風俗店探し」の旅に出ることにした。
コレド室町の向かい側から中央通りを神田方向に歩く。中央通りに面して建つのは、すべて大きく無機質なビルディングだけ。地価も高く、この道沿いに看板を出している風俗店はまずありえない。
ふと左手の路地をのぞくと、その先の方に小さな居酒屋風の看板が見え、導かれるようにその路地に入った。
その先の、中央通りと並行して走る細い路地に出ると、そこには小さなバルや居酒屋、マッサージ店などが並んでいるのだった。
中央通りを一本隔てただけで、まるで別世界が。住居表示を見ると、「日本橋本石町四丁目」とある。
路地の先には鉄道の高架が見える。ということは、神田駅が近いということだ。神田駅周辺は千代田区なので、この辺りは中央区と千代田区の区境ということになる。
神田駅が近づくにつれ、街の雰囲気が山の手から下町へと急激に変わるを感じた。あの狭い路地からだ。あの路地が、山の手から下町に抜けるトンネルになっていたようだ。
それならば、果たして区境はどこか? 探しながら歩いてみると、それは、もう少し神田寄りにあるラーメン屋と洋風居酒屋の間の細い路地だった。しかし、その区境はほぼ機能しておらず、下町の雑多な雰囲気に山の手側もすでに侵食されてしまっているのだった。
そして、その路地のホンの数メートル先(千代田区側)には、まだ日が高いにもかかわらず、煌々とネオンを灯すピンサロの看板が光っている。料金は5000円から。おそらく、日本の道路が始まる地点「日本橋」に最も近いピンサロに違いない。