【事務所近くのラブホテルで】
「店長様、もうしわけありませぇん…」
「あらら。じゃあ、とりあえず空いてる部屋で構いませんよ」
「すいませんねぇ。かしこまりましたぁ」
ねっとりした喋り方のいつものフロントのおばちゃんが、申し訳なさそう頭を下げる。
毎回利用しているホテルの部屋が、今日に限っていっぱいらしい。
結局、普段より3倍近い料金を支払って、もっともグレードの高い部屋で講習することになった。
「う、うわ! すごいです! 露天風呂があります! マッサージ機も!」
「ほんとだね(笑)」
「テレビも大きいですね。いつもこんな豪華なところで講習するんですか?」
「いや、今回は特別かな。部屋が空いてなかったみたいだし」
値段が高いだけあって、設備はなかなかのもの。
掃除は行き届いているし、なにより清潔感がある。
「私、こんな綺麗なラブホテルって初めてです!」
確かにこんな部屋なら女の子もテンション上がるだろうな…、覚えておこう。
キラキラした目で辺りをグルグル見回すイブ。
その仕草がなんとも可愛らしく見えた。
「それじゃあ、講習に移ろうか」
「あっ、は、はい!」
彼女がゆっくり部屋を見たいことは分かっていたが、そろそろこっちの興奮が抑えられなかった。
それに、オナクラとは違い、やることがたくさんあるヘルスサービスは説明することも多い。私は、入室からシャワーまでの流れを順序立てて説明していった。
イブはそんな私の話を聞きながら、携帯のメモに要点を記入していった。