【ネットナンパ】不感症!? 色気ゼロの20代フリーターに悪戦苦闘!!

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Ilustrate by ながおか

 気がつけば2018年も半分過ぎた。上半期、筆者のセックス回数を振り返ってみると、週に5回程度だった。

 1年365日、毎日セックスすることが筆者の長年の夢なのだが、なかなか実現できずにいる。

金もいらなきゃ名誉もいらない、わたしゃもう少しセックスがしたい♪


 我ながら控えめな望みだと思うのだが、神様ってやつは意地悪なもので、それを叶えてくれずにいる。

 しかし、この夢を諦めるわけにはいかない。もっと努力してたくさんの女性とエッチして、よりたくさんのセフレを作れば、いつかは毎日セックスできる生活をおくれると信じるしかないのだ。


———————–
優しい人に会いたいです(ハート)


まだこういう出会い方に慣れていません。

でも、エッチには興味があるんです。

優しくリードしてくださる男性で、いろいろと余裕のある方にお会いしたいです。

場所は新宿が希望なので、それでもよろしければメッセージください。

06月2*日14時59分
受付メール数:0/5

♀カノコ
25歳
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 いつものようにあちこちの出会える系サイトを物色していると、筆者愛用の【イククル】でこんな書き込みを発見した。

 なんともふんわりした内容だ。書き込み主であるカノコちゃんの狙いはどこにあるのだろう? 出会える系サイト遊びに不慣れだからこそ、こうしたあいまいな書き込みになっているのかもしれない。

 この時点で、時刻は15時20分。彼女が書き込んでからかなり時間が経っていたが、まだ誰からもアプローチされていないようだった。やはり、他の男性ユーザーも意図を測りかねているのだろう。

 しかし、彼女が望んでいる“優しい人”を演じるのは筆者の十八番。海の物とも山の物ともつかない書き込みではあるが、物は試しとばかりにアタックしてみることにした。


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こんにちは、カノコさん。

都内の会社員、ショーイチ・36歳です。

先ほど、カノコさんの書き込みを拝見しました。

優しいくらしか取り柄のない私ですが、是非カノコさんとふたりで楽しみたいです。

ご検討のほど、よろしくです!
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 ダメ元でのアタックなので、アッサリ目のファーストメールだ。

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 このメールの後、気を取り直して、他の女性を物色すべく書き込みをチェックしていると、数分もしないうちに、カノコちゃんから返信が届いた。

あれ? もしかして業者だったのか?


 レスポンスがあまりに早い場合、相手は一般女性を装った業者の可能性が高い。向こうは一日中パソコンやスマホにかじりついて獲物がかかるのを待っていて、返信はコピペメール。当然、呆れてしまうくらいレスが早くなる。

 そんなワケで、眉にツバつけながら、カノコちゃんからのメールをチェックすることにした。


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メールありがとうございます。

誰からも連絡もらえなかったので、駄目だと思っていました。

ショーイチさんから連絡いただけて嬉しいです。

本当に地味で色気とかもない私ですが、それでもいいですか?
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 ずいぶんとまた控えめな内容だ。よほど自分の見た目に自信がないのだろう。

 だが、見た目に自信がないのは筆者も同じ。こういう可哀そうな女性こそ、筆者が救済してあげるべき相手だろう。

 と、ワケの分からない正義感に駆られながら、返信メールを書きあげた。


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連絡ありがとう、カノコさん。

こういう出会いって、見た目よりも相性が大事だと思っています。

それでも、私がどんな感じなのか気になりますよね?

だから、私の写メを添付しました。

もし、タイプじゃなかったら返信は結構です。

でも、検討してもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいです!
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 筆者の写メを添付してメールを送信。

 何度もこのコラムで書いているが、筆者の顔面偏差値は余裕のFランク。しかし、草食系の不細工とでも言えばいいのか、見る者に威圧感を与えないであろう人畜無害なタイプなのである。

 それゆえ、気の弱そうなお人好し風に見えなくもない。だからこそ、“優しい人”を演じることが難しくないのだ。

 今回は、自信なさげなカノコちゃんを安心させるべく、自ら率先して写メを添付したカタチだ。

 そんな写メ添付作戦が効いたのか、すぐに返信が届いた。


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写真ありがとうございます。

本当に優しそうな方で安心しました。

私は写真うつりに自信がないので、写真を送れません。

それでもいいですか?
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 請われてもいないのにこちらから写メを送った場合、半分くらいの確率で相手も写メを送り返してくる。男性にだけ写メを送らせるのは申し訳ない、という気持ちが生まれるからだろう。

 相手を安心させるべく送った写メだが、そうしたリターンの可能性も当然考えていた。もちろん、カノコちゃんのように、それでも写メの送信を拒むケースも少なくない。

 まっ、ここまで来たら乗りかかった舟だ。今さら態度を豹変させることもできやしない。


———————–
写メは送らなくて大丈夫ですよ。

カノコさんに安心してほしかっただけですから。

私のほうは今すぐでも、数時間後でも待ち合わせ可能です。

カノコさんは何時頃の待ち合わせが希望でしょうか?
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 こうして、その後もメールをやり取りし、18時に新宿アルタ前で待ち合わせすることになった。

 約束の5分ほど前に到着した筆者は、ソワソワしながらカノコちゃんを待っていた。

 いったいどんなコが来るのか。自信がなさそうだったので、たとえ残念な容姿なコが来ても不機嫌な表情にならないようにせねば。

 いろんなことを考えながら待っていると、時間通りにカノコちゃんらしき女性がやって来た。


グヌヌヌヌヌっ。


 まず目を引いたのは、ハッと驚いてしまうくらいベリーショートの髪型だった。スレンダー体型なので似合わなくもないが、お世辞にもセクシーだとは言い難かった。

 なにより残念だったのは、その顔だ。女性芸人の横澤夏子をさらに地味にした感じで、普段ならあまり近づきたくないタイプだった。


チッ! メールのやり取りに割いた時間の割にはリターンが小せえなぁ…。


 心の中でそっと舌打ちしてしまった。

 自信なさげなのは謙遜で、案外可愛いコが来るんじゃないか? そんな淡い期待は、粉々に打ち砕かれてしまった。

 しかし、この段階で“顔パス”できるほど図太い神経を筆者は持ち合わせていなかった。

 まっ、これも修行の一環だ。こうなったら、

最後まで優しい人を演じきってみせるぜ!


 気を取り直して、ゆっくりとカノコちゃんに近づき、声をかけた。


「こんにちは。カノコちゃんだよね?」

「あっ、はい。そうです」

「さっき【イククル】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」

「は、はい。来てくれてありがとうございます」

「大丈夫かな? 俺みたいなので」

「え?」

「ほら、写メと違って実物はかなりエロそうでしょ? 引いたりしてない?」

「ぜ、全然そんなことないです」

「ホントに? 後で後悔してもしらないよ?」

「え?」

「嘘、嘘! カノコちゃんが嫌がるようなことは死んでもしないから安心してね」

「は、はい」

「それじゃあ、このままホテルに向かう感じでいいかな?」

「は、はい。お願いします」


 向こうから顔パスしてくれることを若干期待したが、それは叶わなかった。

 最近、見た目のレベルが高い女性とエッチする機会が多く、その落差もあって、カノコちゃんがかなりハズレに見えてしまったのだ。

 だが、ここまで来たら引き返すことはできない。彼女はスレンダー体型だったので、デブ・不細工の二重苦ではないことが不幸中の幸いだと考えるしかない。

 心中は複雑だったが、それをカノコちゃんに悟られるのは避けたい。そこで、無理やり笑顔を作っておしゃべりしながら歩くことにした。


「今日はお仕事終わりなの?」

「は、はい。バイトが終わってからこっちに来ました」

「へぇ。なんのバイトをしてるの?」

「今は牛丼屋さんとポスティングのバイトです」

「ふたつも掛け持ちしてるんだぁ。どっちも暑いこの季節だと大変そうだね」

「はい。でも、他に仕事もないですし…」

「そ、そうなんだ」


 どうやら彼女はフリーターのようだ。それにしても牛丼屋とポスティングとは、なかなか渋い職種だ。見た目に自信がないからこそ、華やかな職種を避けているのかもしれない。

 それにしても、ネガティブ思考が強そうだ。筆者も非モテ青春時代を過ごしたので、カノコちゃんの気持ちが分からなくもない。

 見た目に自信がないからどんどん表情も暗くなり、ますます不細工度が上がってしまうのだろう。

 だったら、

気持ちいいセックスで彼女の心の憂さを少しでも晴らしてあげよう!


 ホテル街に到着するころには、そんな使命感が芽生えていたのだった。

 いつも使用しているラブホテルよりかなりグレードの低いところにチェックイン。部屋でふたりっきりになってから、エッチな質問をぶつけてみることにした。


「カノコちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」

「え?」

「ほら、ここまで来て遠慮するのはもったいないよ。正直に教えてほしいな」

「し、ショーイチさんはどうなんですか?」

「えっ、俺? 俺は女性が喜んでくれるなら、どんなエッチでも大好きだよ」

「わ、私はまだそういうの分からなくて…。ゴメンなさい」

「謝らなくていいよ。それじゃあ、優しいエッチってことでいいかな?」

「はい。それでお願いします」


 やはりというか当然というか、カノコちゃんは男性経験がかなり少ないようだ。いつもならここでもう少し突っ込んでみるところだが、今回は止めておいたほうが無難な気がした。

 下手に過去の男性経験を質問しようものなら、嫌なことを思い出させてしまう結果になりかねない。

 それに、長時間しゃべっていたら、優しいフリをしている筆者のボロが出てしまうかもしれない。ここはさっさとやることだけやって、あまり深入りしないほうが良さそうだ。


「じゃ、先にシャワー浴びておいで」


 カノコちゃんにそう言い、筆者は灰皿を持って窓際に移動し、シャワーの音を聞きながら一服。

 この待ち時間は、いつももどかしさを感じてしまう。さっさとシャワー室から出てこい、早くマンコを舐めさせろ…と悶々としてしまうからだ。

 だが今回は、そんな焦燥感に駆られることは一切なかった。頼もしいパートナーである愚息も沈黙を保ったままで、新宿アルタ前で合流してからただの一度もチンピクしてなかった。

 タバコを1本吸い終え、2本目に火を点けるかどうか思案していると、カノコちゃんが浴室から出てきた。

 細身の体型にバスタオルだけを巻いた姿は、後ろ姿だけなら、セクシーに見えなくもなかった。


よっしゃ、今日は“後背位”一辺倒だな…。


 入れ代わりでシャワーを浴びながら、そう決めたのだった。

 室内に戻り、照明を暗くしてからベッドイン。


「痛いことや汚いことはしないから、安心してね」


 そう声をかけ、まずは軽めのキス。もちろん筆者の瞼は固く閉じたままだ。

 さっさとキスを終え、カノコちゃんが巻いていたバスタオルをはぎ取ってみる。


チッ! なんて貧相な体なんだ!!


 オッパイは蚊に刺されて膨らんだ程度しかなく、なんなら筆者のほうがバストサイズが大きそうだ。

 まぁ、スレンダー体型なので、これは辛うじて想定の範囲内だった。しかし、視線を下に向けると、さらなる驚きが待っていた。


上半身から下半身にかけてのラインが、ズドーンとほぼ一直線!!


 クビレのクの字もありゃしない。これぞずん胴体型といった具合で、ますます筆者のやる気が下がってしまうことに。

こうなったら、久しぶりにアレをやるしかない!


 クンニの体勢をとった筆者は、目を閉じながらマンコを舐め始めた。同時に、脳内で般若心経を諳んじる。


かんじざいぼさつ ぎょうじんはんにゃはらみたじ しょうけんごうんかいくう どいっさいくやく  しゃりし しきふいくう くうふいしき しきそくぜくう くうそくぜしき じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ…。


 一心不乱に276文字を唱えながらクリを舐めたり、尿道口や膣口を唇で刺激していく。

 幸いにもマン臭はほぼ皆無だったので、心が乱されることはなかった。

 誤解しないでほしいのだが、筆者は無神論者だ。般若心経を諳んじることができるのは、若い頃に中二病をこじらせたことによる副産物にすぎない。

 一部のアスリートが競技前に般若心経を唱え、精神集中によってレベルの高い結果を残していると物の本で読んだことがきっかけだった。

 俺も般若心経を諳んじることができれば、少しはモテるのでは? そんな意味不明な妄執に憑りつかれていた時期があったのである。

 しかし、この般若心経クンニを2周分行っても、カノコちゃんの口からアヘ声が漏れることはなかった。

 舌先に伝わってくるのは己の唾液の味のみで、マン汁もほとんど分泌されなかった。


ポキッ。

 ここでついに心が折れてしまった。

 唾液でマンコは濡れてるから、入れても痛みを与えないだろう。そう判断した筆者は、3週目の般若心経クンニを行いながら愚息をシコシコと擦り始めた。


ギンっ!!


 自らのハンドジョブでアッという間に固くなる愚息。だが、これは一時的なもので、愚息を騙しとおすことは難しそうだった。


「もう、入れさせてね」


 そう彼女に断り、サクッとコンドームを装着。四つん這いになるよう指示し、後背位で挿入した。


ヘコヘコヘココッ。


 愚息が中折れしないよう、いつもより早いテンポで腰を振る。

 目を瞑ってのピストンだったが、ここで油断して上から彼女の裸体を見てしまった。



嗚呼、戦国武将が小姓を後ろから犯している時ってこんな風なんだろうなぁ…。



 ベリーショートとずん胴体型のせいで、女性とやっているという気がしなかった。


こりゃアカン!!


 慌てて目を閉じ、さらにピストンスピードを上げる筆者。同時に、脳内でお気に入りのズリネタを妄想する。

 最近特に多用しているズリネタは、ももクロのれにチャンのマンコを舐めるというもの。あの愛くるしい笑顔がクンニの最中にどんな風に変貌するのか? 一度妄想を始めると、時間が経つのを忘れてしまう。


ギギンっ!!


 れにチャンのおかげで、愚息の硬度がさらにレベルアップした。カノコちゃんは相変わらず無反応だったが、このチャンスを逃すわけにはいかない。


ガガガガガガガガっががガッがッ!


 少し乱暴気味にラストスパート。そして、ついにその時を迎えた。


ふぅ。


 少しだけ余韻を味わってから愚息を引き抜き、後処理を始めた。

 カノコちゃんに目を向けると、ベッドにうつ伏せになったままスーハーと穏やかな呼吸を繰り返していた。

ちょっと自分勝手なエッチだったかな?


 ちょっぴり後悔しながら彼女に声をかけた。


「ゴメンね。俺ばっかり気持ち良くなっちゃって」

「い、いいえ。私も気持ち良かったです」

「ホントに? 痛くなかったかな?」

「はい。一度も痛くなりませんでした」

「それならいいんだけど…」

「やっぱりつまらなかったですか?」

「えっ?」


 予想外の言葉だった。こんな問いをぶつけてくるということは、過去にそう指摘されたことが何度かあるのかもしれない。


「私って、あまり性欲がないみたいで…」

「そ、そうなんだ」

「だから、相手の人はつまらないみたいなんです」

「なるほどね。中にはそういうタイプの男性がいるかもね」

「だから、たくさん経験すれば、少しは良くなるかもって思ってるんです」

「うん。それは正解だと思うよ」

「ありがとうございます。それに、お世辞抜きで、今までで一番気持ち良かったです」

「それは良かった。これから、経験を積めばもっと良くなるかもね」



 こちらとしては、カノコちゃんと再会する気はゼロなので、無難な返事にならざるを得ない。

 その後、帰り支度を整え、部屋を後にした。ハズレ案件の場合、ホテルを出たところでサヨウナラするのが筆者のいつものやり方だ。しかし今回、少しばかり彼女に同情していたので、駅の近くまで送ることにした。


「それじゃ、気を付けて帰ってね」


 アルタ前で彼女にそう告げ、デートは終了した。

 非モテで不細工で負け組の筆者だからこそ、カノコちゃんの気持ちが痛いほど分かった。

 しかし、筆者はただのエロ中年にすぎない。

 これからもっとたくさんの可愛いコとエッチするために、下手な鉄砲を撃ち続けなければならない。

 だから、何かの間違いでカノコちゃんから再度のお誘いがあっても、無視してしまうことになりそうだ。
(文=所沢ショーイチ)

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