こういった感じで仕事に対してあまり前向きでない彼女だったが、入店後はそれなりに出勤し、着々と給料を稼いだ。
しかし、始めこそ敬語で話したりオブラートに包んだ物言いをしていたが、ルルは元々気の強い性格で、入店から2カ月経つ頃には素の性格が露呈し始める。
「さっきの客、マジでキモかった」
「送迎遅すぎ! 早く迎え来てよ!」
「ダルいから今日休むわ(笑)!」
などなど、ワガママ放題の毎日。これほど傍若無人という言葉が似合う人間も珍しい。
もちろん、そんな性格のキャストに対して良い印象を抱くスタッフはいないわけで、男性従業員の間では彼女に対する不平不満が蔓延っていた。
「あんな女、なんで雇ってるんですか」
「ちょっと失敗しただけでクズ呼ばわりされる」
「アイツからの電話出たくない…」
そんなスタッフたちの声が、ルルが出勤する日は必ず挙がるのだ。そして、何か彼女とのトラブルが起きるたびに、店長や私に話が回ってくる。
その都度、彼女のフォローをしていたわけだが、彼女の性格は風俗を卒業するまで直らなかった。
なぜ、そんなキャストを雇い続けていたのか。それは彼女が、
店舗のリピート客である、多くのお金持ちから本指名を獲り続けていたからである。