戦前の「ナンパ指南書」の内容は

※イメージ画像:Thinkstockより

 いかに異性と親密になるかについては、古くから多くの日本人にとって関心のひとつであったことは言うまでもない。最近であればナンパに関するテクニックを紹介したハウツー本などが多数刊行されているし、ネットを探れば同種の情報が少なくない。

 では、そうしたテーマの資料はないものか。性に関する著作といえば、江戸時代後期になると数多くの著述が刊行されているが、その多くはセックス関連についての性指南書がほとんどであり、異性と親しくなることについてのノウハウや事例について詳しく書かれたものは見当たらない。

 だが、よく調べてみると、異性を支配するための秘策を解説した資料がある。大正9年に刊行の、芳川赳(よしかわ たけし)氏による『異性征服の秘訣』なる書籍だ。

 その内容は、タイトルの通り、いかに異性をゲットするかという内容の指南書である。

 まず、女性および男性の特徴や性質について述べた後、とくに女性の心理や傾向、行動パターンなどについて解説。異性征服と銘打っているが、著者の芳川氏自身が序文で女性研究を続けてきたと述べているので、全体的に女性攻略に関する記述がウエイトを占めている。

 そうしたベースとなる考えに続けて、「女は武装して居る」「年増女の心理」などの項目によって、異性をいかに攻略するかを解説。さらに、「女を征服した男の話」など体験談も掲載し、芸妓や遊女を攻略した事例も掲載している。また「良人操縦法」や「女は美を利用せよ」「男を征服した女の話」など、女性が男を手玉に取るハウツーも紹介している。

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