当然、セックスシーンもすべて撮影。写真を撮りながら撮られるという奇妙な光景が無言で繰り広げられた。相変わらず香織は目がうつろ。昔、エロ漫画などで流行った「レイプ目」というものを現実世界で拝むことになるとは…。全然興奮しない。
誌面構成に必要な写真を揃え終え、そのことを佐々木に伝えると
「今度は私たちのセックスシーンを撮影してください」
と言ってきた。その代わりノーギャラでいいと言うので、ギャラを自分のポケットにねじ込んで、彼らのプレイを写真に収めることにした。
筆者とセックスしていた時とは異なり、獣のような喘ぎ声を上げる香織。プレイの一つひとつが自分の場合とまったくことなった。
まぁ、見知らぬ男とのセックスで同じ反応だったら、それはそれで怖いけど。
濃厚なカラミを写し終えると、佐々木は「現像した写真を送ってください」と私書箱の送り先を渡してきた。ガードの固い変態である。
望み通り現像した写真を送った数日後、フリーメールで佐々木から感謝の言葉が送られてきた。謝辞はどうでもいいが、問題は香織による筆者のセックス評である。曰く
「顔がタイプでない。モノは小さい。テクニックは皆無」
殺意と哀愁を同時に味わったメールの末尾には、佐々木から
「香織が極めて不本意なセックスをしている姿がすごく愛らしく、一層愛情が深まりました」
と、とどめの台詞。このメールのおかげで、しばらくの間、周囲から“セックスの下手なハメ撮り編集者”という称号を得て嘲笑された。
(文=伊藤憲二)
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