2020年のオリンピックを前に、東京の風俗業界は「これからどうなるんだろう」という空気が濃く漂っている。期間中の営業について、「店舗型風俗店は看板を出さなければ営業できる」「外国人の間で風俗街として有名な吉原は経済効果が見込めるので大丈夫だが、他のエリアは厳しい」という説もあれば、「開催中の営業は一切禁止になる」と言い切る者もいる。いずれも悲観的な憶測ばかりだが、風俗店の経営者やキャスト、スタッフの間で不安が募るばかりだ。
もちろん、明るい話題もある。それが、2020年までに誕生する予定の山手線の新駅にからんだ風俗だ。
現在の品川駅と田町駅の間、以前は品川車両基地として使用されていたこの場所。この新駅と併せて約13ヘクタール(130000平方メートル)の駅前開発が急ピッチで進められている。羽田空港に近いため高度制限はあるが、現在3棟のマンションと5棟のオフィスビルの建設が予定されているし、その周辺エリアにもマンションなどが建つだろう。そうなれば、デリバリーヘルスなどにとっては新規開拓のチャンスとなる。
現在、品川・田町近郊でデリヘルの拠点(事務所)が多いエリアとしては、五反田や新橋などがある。これら既存の店が新駅周辺に女性を派遣することは充分に可能だろう。しかし、迅速性を考えれば新駅周辺のマンションなりを事務所にするほうが賢明だし、それがウリのひとつにもなるに違いない。実際、風俗店のオーナーの中には、新駅周辺の不動産物件の動向に注目している者も少なくない。