本題に入る前に、素人モデルのギャラについて説明したい。会社規定のギャラは、目線ありで3万円、顔出しだと5万円だった。
「こんな小金で初対面の人間とセックスして全国に晒す人間がいるのか?」
と不思議に思ったものだ。しかし、出会い系サイト全盛でテレクラも健在、出会い喫茶なる新興の援助交際の温床が勃興した時期でもあり、街で声を掛けつつ出会い系サイトに登録しまくり、仮眠を取るためにテレクラで交渉すれば特段問題はなかった。
ただ、出会い系サイトやテレクラは、風俗嬢などプロの率が異様に高い。代わりに筆者が主戦場としたのは、某自己紹介サイトだった。
そこに、ギャル系の美女が理解不能なポエム的な何かと処方された精神薬を掲載していた。リスカ跡の写真はないが、重篤なメンヘラであることがうかがえた。仮にゆりちゃんとしておこう。
「もう、ムチャクチャになりたい…」という携帯小説の主人公みたいな寝言が書かれていたので、ド直球に「エロ本編集者にハメ撮りされて全国に晒されたら、めちゃくちゃになるんじゃない?」とラブコールを送ったところ、快諾された。メンヘラの思考回路は謎である。
「ちゃんと地方まで行って素人を撮影していますよ」というアリバイのため、何の変哲もない中部地方の田舎を撮影した後、東京を発つ前に交換した携帯番号に電話をかける。
出るには出たが呂律が回っていない。酒に酔った感じではなく、脳が稼働していない雰囲気だった。テレクラで「シャブ代ほしいからハメ撮りして(はぁと)」という素敵なレディと同衾した際はハイテンションだったが、今回は真逆だ。
まずは「無許可で写真を掲載された」と言われないよう、契約書にサインさせる。ついで、年齢確認のできる保険証やら免許証やらで18歳以上であることも確認。ファミレスで忍耐の限界に挑戦して会話したところ、医師から処方された精神薬やら睡眠剤をオーバードーズしたということだった。こんな状態でアンケート用紙を書ける訳がないため、適当に代筆。エロ本は夢とファンタジーでできている。