現代ニッポン風俗の発祥の地といわれる大阪。その大阪でも、筆者はミナミの宗右衛門町界隈のアジアンチックな怪しい雰囲気が大好きだ。風俗の取材が終わると夜な夜な朝方まで街をぶらついてネタを探すのだが、その夜はこんな出来事があった。
そろそろ家路につくキャバ嬢の姿が目立ち始めた路地で、清楚なOLふうの女のコがニッコリ笑顔を投げかけてきた。
「ナニ屋さん?」
そう聞くと、どうやらスナックの客引きらしい。長身でスラッとしたスタイルの愛嬌ある美女で、その夜はその店で飲むことにした。
店内には数組のサラリーマン風の客がいるので、ぼったくりではなさそうだ。筆者は呼び込みならぬ“ご案内”をしていたさっきの女のコ「K子」と飲み始めた。
深夜3時を回り酔いも回ってきた頃、大阪の女のコはどんな反応をするだろうと思い、K子をホテルに誘ってみることにした。
「K子、もう帰るから一緒にホテルにおいでよ」
「えー、ダメやって」
「ホテル、すぐそこだから」
「だって…」
客相手なので、さすがにすぐに「イヤ」とは言わないが、嫌がっているのは誰の目にもわかる。しかし、筆者の追求の手は緩まない…。
「結構綺麗なホテルだよ。行こ」
“さあ、今すぐ行くぞ”というふうに手をつないで立ち上がろうとしたその時、
「えー…、ママに聞いてみな…」
K子はそう言ったのだ。ママに助けを求めたともとれるが、誘う側からしてみれば、「ママが『イイよ』って言えば着いてくるのかよ」というところでもある。
そんな口説きのやり取りもあり、筆者的には楽しく飲ませてもらったのだが、その翌日、別の店でも同じセリフを聞くことになるのだった。
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