大正3年(1914)7月1日のこと、群馬県伊勢崎で教師が女子生徒に暴力をふるい、大怪我を負わせる事件が起きている。
その日の午後2時頃のこと、30歳の体育教師は、その女子生徒が自分の言うことを聞かなかったという理由から、「掌にて同女の前額部を殴打し地上に打倒したるのみならず尚上履の靴にて数回腹部を蹴って負傷せしめたる」という。11歳の少女を拳で額を殴り倒して、しかも倒れたところを足で腹部を蹴ったというから、明らかに指導を域を超えた暴行である。
当然、少女は悲鳴を上げてのたうち回った。それを見たクラスメートたちは、急いで同じ学校の高等部に通う少女の姉(15)に知らせた。驚いた姉はすぐに現場に駆けつけ少女を介抱すると、ただちに医師の元に連れて行き手当てを施した。医師の診察によると、少女は全治5日間の怪我だった。
少女の父親は、この教師の非道に激怒。校長を厳しく問い詰めている、というところで記事は終わっている。
教師が暴力を振るった理由が、「授業中流汗を拭いたる」ことだったというから驚きだ。