さて、現在のレンタルルームといえば、雑居ビルのワンフロアを利用して営業しているところが多い。神田や新橋といった“ラブホテルはないが、派遣型風俗店の事務所がある”エリアの雑居ビルに、レンタルルームが増える理由は分かるのだが、なぜ新宿や池袋などの風俗街に、ラブホテルが充実しているにもかかわらず増えているのだろう。
その理由のひとつに、ライト風俗の台頭があるようだ。
風俗のポータルサイトを見るとよく分かるが、新規オープン店は、オナニークラブ(オナクラ)や手コキ風俗などが実に多い。こういった店には20分程度のコースがあって、料金は3,000円前後から用意されている。つまり、お手軽にヌクことができるのがウリだ。しかし、派遣型のため、ラブホテルを使ったとすると、最低でも90分で4,000円程度の部屋代がかかる。これは時間的にムダだし、なにより部屋代がプレイ料金以上なんて問題外だ。
そこで注目されたのが、エリアによっては30分で1,000円程度から利用できるレンタルルームだった。ライト風俗系はお風呂でのプレイもないので、ニーズにもピッタリだった。こういった点に注目した業者が、ラブホテルを建てるよりも初期投資が断然に安いレンタルルームをオープンさせていったのが、現在、風俗街にレンタルルームが増えている理由だろう。
ラブホテルと比べるとチープな印象が根強いレンタルルームだが、利用客が増えれば、同業との差別化を目的とし設備も整ってくるというもの。最近では、ベッドや寝具にこだわりがあったり、全室に広めのシャワーブースを設置していたり、ホテル並みのルームサービスがあったり、さらにはプレイ用のコスチュームの貸し出しがあったりと、まさに至れり尽くせり。
“簡易式ラブホ”と揶揄されていたのも今は昔。レンタルルームは、風俗業界において確固たるポジションを築いたようだ。
(文=子門仁)