2007年4月2日、神奈川県川崎市にある金山(かなやま)神社で、毎年4月第一日曜日の恒例行事『かなまら祭り』が開催された。
金山神社は若宮八幡宮の境内社(神社の中にある別の神社)で、鉱業・鍛冶など金属に関する技工を守護する神を祀っている。金山の言葉の響きが男性器を意味する“まら”に似ていること、鍛冶の作業に使う道具の一つである“ふいご”の動きが男女の性行為を連想させることから、性神としても信仰される神社でもある。
性信仰が残る神社として、1960年代後半から主に外国の民俗学社から注目されるようになり、1970年代後半からは性病除け、近年ではエイズ除け、さらには子孫繁栄、安産、縁結びなどの願掛けを込めて開催されるようになったのが『かなまら祭り』だ。ちなみに、発端になったのは、江戸時代の川崎宿にいた私娼の飯盛女たちが性病除けや商売繁盛の願掛けを行った『地べた祭』で、かなまら祭りでも再現されている。
祭りの見どころは、なんといっても男性器をかたどった御神体を乗せた神輿で、それが若宮八幡宮から界隈の道を練り歩く面掛行列だろう。とくに、浅草橋の女装クラブ「エリザベス会館」が寄贈したピンク色の巨大なイチモツが鎮座する通称“エリザベス神輿”を目当てにしている見物客は多い。