「で、どんなコがおるの?」
「歳は30くらいやな。体は細くてエロい人妻さんや」
「ホンマか。松阪牛みたいなんちゃうやろな(笑)」
冗談を言いながら、自らおっちゃんの肩を抱いて店に入るのだった。
以前入った松阪の本サロもそうだったが、店内はまるっきりキャバクラのままだ。薄暗い客席には背もたれの高いソファーも、仕切りのカーテンもない。広いソファー席に通されると、やがてロングヘアーで細身の女のコがやって来た。
パッと見はウシではなくホッとしたが、暗さに目が慣れると、隣に座ったのが久本○美そっくりの瘦せぎすの四十路おばちゃんだと判明した。
「松阪商人と大阪商人は気が合うねん。せやもんで…」
「愛宕町はスナック街で、京町がサロン街やねん。どっちにも本サロあるけどな」
「お客さん、どこの人? 変な関西弁やな」
ずっとひとりでしゃべりっぱなしなのだ。そして、おしゃべりが止まったと思ったら、
「ほな、しよか?」
そう言って記者の服を剥ぎ取り、自分も全裸になると、ようやくおしゃぶりを開始するのだった。