最近、風俗業界では裏方として入店する女性が増えている。主役である女のコたちを支え、客に極上のサービスを提供するための陰の主役でもある。そんな、風俗業界で働きながらも脱がない彼女たちの素顔に迫ってみたい。
話しをうかがったのは、都内で多数の風俗店を展開する秋コスグループでヘアメイクを担当する山崎奈月さんだ。
取材場所に指定されたのは、都内にある秋コスグループの専用スタジオ。ここには、プロフィール写真を撮影するスタジオに隣接して、エステサロンとヘアメイクルームがあるのだ。ここが“脱がずに風俗で働くオンナ”山崎奈月さんの職場となる。
取材前に山崎さんのお仕事を見学させてもらったが、この日は撮影が立て込んでいたこともあって、次から次へとグループの店舗で働く女のコたちが彼女のもとを訪れていた。女のコたちは一様にリラックスしていて、それだけ山崎さんを信頼していることが分かる。女の命ともいえる髪の毛や顔を委ねるのだから、当然ながら信頼関係は重要だ。
今回取材するにあたって、まず気になったことは、ヘアメイクを施す相手が風俗で働く女のコということで、同じ女性として偏見はなかったのかということだった。
「時々、聞かれますけど、まったくなかったですね。というのも、この会社に入って5年になるんですが、その前の5年は美容師をしながらキャバクラのキャストさんのヘアメイクをしていたので、夜の世界というか、こういう世界にそもそも抵抗がないんです。私の中では、キャバクラのヘアメイクの延長上にあるのかな、と」
5年前、秋コスグループが自社専用のヘアメイクグループを立ち上げることになり、山崎さんは知り合いを介して現在の上司から話をいただいたのだという。
「会社の説明を受けた時に驚いたのは、福利厚生がシッカリしていたことです。たとえば、有給休暇は当然で、女性の場合は産休制度も完備していて、安心して働けるというのが第一印象ですね。テレビ局専属のヘアメイクさんと変わらないですよ」